震災日録 1月12日 野村かつ子

野村かつ子のことを調べている。消費者運動家だが、1970年頃は原発反対をすでに訴えている。成分表示、単位価格表示などを持ち込み、ラルフ・ネーダーを日本によんだ人。ネーダーは市民を「パブリック・シチズン=政治や環境に興味を持ち自ら社会をよくすることに関わる人」と「プライベートシティズン=自分と家族さえ幸せならいいと考える人」に分けている。震災と原発事故以来、この分離がかなりひどいことになっていると思う。
野村かつ子は戦前から京都で生協運動の走りに参加し、戦後は戦争未亡人の職業安定のため機械編みを普及したり、内職の買いたたきをふせぐ内職大会を開いたり、総評のオルグで三井三池の主婦会を組織に行ったりとすばらしい活動家。そして最後までまったく偉そうにならなかった人だ。私はこの人を何度か見ている。ドタグツでリュックを背負って1人でやって来た。「女は男みたいに勲章もらって喜ぶような馬鹿はいないからいいよ」と福田英子はいったが、あんな感じだった。でも加藤シズエも奥むめおも勲章もらって、奥なんて誰がしたんだか、ホームページに勲章を陳列している。女も男なみになったというべきか。4月からNHKラジオで「女性の品格」に対抗?して、「おんなのきっぷ」というお話をします。男社会で成り上がった人でなく、困った人を見捨てなかった人を取りあげたいと思います。