震災日録 12月31日 働く意欲は環境でつくられる

地物のホウボウの刺身、茹でたてのタコ、うまし。しかし海の汚染にはわからないこと多く、千葉御宿辺りの地魚が大丈夫とは言いきれない。まあ50代の3人はぱくぱく食べる。帰りは大多喜をとおって帰る。谷中清水町に屋敷を持っていた知恵伊豆こと松平信綱の子孫大河内家の城下町、昔ここの大屋旅館というのに泊まって感激した。洋室が風呂になっていたし。こういう古い町の古い宿にはまだまだ知られざる名旅館、権高でもなく親切な、そしてリーズナブルな宿が多い。そこは国の登録文化財になっていた。海ほたるの上でちょうど大晦日の落日。
金曜日ダイエット?続行中。やる気のある失業者だけにお寺を開放するということに雨宮処凛が異議を唱えている(2009・2・13)。この人はなんとなく苦手、だけどいてくれてありがとうと言いたくなるときもある。「これから私たちは意欲によって選別されるだろう」「これまでの劣悪な労働経験からすでに『働く意欲』そのものを失ってしまっていたら?」など疑問を投げかける。被災地でも同じことがいえる。たしかにせっかくはいった義捐金や一時金で酒飲んだり、パチンコ行ったり、もったいないなあ、と思う。でも「津波で家も仕事も、もしかすると家族までなくして『働く意欲』そのものを失ってしまっていたら?」という問いを、被災地にいない私たちは考えなくてはならないのだろう。福田文昭さんの『北を撮る』もよかったな(2009・2・13)。小島一郎の写真を『芸術新潮』で見てぜったいこの写真集を買おう、と思ったのにまだ手に入れていない。それを思い出した。同じ号の辺見庸さんのインタビューもすごい。病を得て、そぎ落とされ、深化している感が。人の家で紅白歌合戦を10年ぶりに見た。ながら視聴だけどユーミンの思い切り似合わない振り袖の『春よ来い』がよかったな。今年の3月4月、いつもこの歌を口ずさんでいたんだもん。東北はなかなか雪が消えなかった。そしてまた、寒い季節に突入。谷中鐘付きツアーに行く体力残っておらず。