震災日録 12月13日 ムール貝の洋風調理法

朝、千駄木のブリックワンに泊めていただいた坂下さん夫婦に朝ご飯らしきものを届けに行く。昨日作れなかったムール貝のトマトソースも作って持って行った。「牡蛎は生が一番だ。ムール貝は潮汁が一番だ」といいはる坂下健さんも「案外これうめえな」と言ってくれた。清子さんにレシピを伝える。「フライパンにオリーブ油を入れみじん切りのニンニクの香を出してムール貝をざっといれ、安い白ワインをふり、ざく切りのトマトとみじん切りのパセリを入れ、貝の口が開いたら身がふっくらしているうちに皿に移す」というじつに簡単な料理です。潮汁は貝の味が汁に出るが煮込む分、どうしても貝は身がちっちゃくなる。「カラスガイなんて金とッて食べさせるもんでない」と清子さんたちは思っているようだが、ベルギーのガンやブルージュではぴかぴかの銀のバケツにムール貝をただ茹でてパセリをちらしただけのが名物料理だった。きりっと冷やした白ワインによく会う。なんならのんびり村で私が作りましょうか、というと「やってみようかな」ということに。とれとれの魚を刺身で、というだけではなかなか人がこない。あたらしい洋風のメニューも開発した方がいいと思う。健さん「しかし森さん、客はうめえうめえと食べるだけだが、あれだね、主宰者ってやつは大変だね」とねぎらってくれた。海を見ていないと駄目なオトコ、健さんは私の東京見物のお誘いも断って、10時過ぎには愛する長面浦へ向けて出発した。
きょうは夜、コミュニティセンター建て替えの仲間の忘年会なので残った牡蛎を30ほどもっていき喜ばれた。料理じょうずな酒井さんはニンニクとパセリとパン粉を混ぜて殻つきの牡蛎にのせ、焼いた。ペシャメルソースではないこんなグラタンもおいしい。