震災日録 5月16日 公務員の残業代

昨日の熊谷さんのお話のなか、名取市の職員の総残業代は3億ではなく1億6千万でした。お詫びして訂正します。といっても職員ひとり当たり30万。私としては残業代をもらうのは労働者の権利だとは思いますが、いっぽう家も仕事も失った被災者にまだ1銭も出ていないことが問題だと思います。名取市だけではなく被災地の他の自治体でもそうでしょう。神戸などでは災害時の公務員の残業代は青天井ではなく制限を設けているようです。批判が起きるのは今回、自治体の事務職員が全体として住民からよくやった、といわれる働きを見せていないこともあるかも。「今回、いちばん頼もしかったのがご近所とボランティアと自衛隊。役に立たなかったのが役所の中間管理職と議員と縦割り行政」(いわき市のAさん)ほか同様の意見をたくさん聞いています。

もうひとつ熊谷さんのお話で、大川小学校の避難については住民が不適切な示唆をして教員が迷ったという説もあるようです。まだ真相はつかめませんが、子どもを失った親の気持ちを考え、二度とこのような惨事を起こさないよう、ちゃんとした検証と教訓を引き出してほしいものです。

この日、7時、谷中コミュニティセンターの建て替えをめぐる話し合い。住民の代表による検討部会で基本計画は策定されたものの、まだそれは住民全体のものとなってはおらず、3・11のあと、本当に役立つ防災センターを作るにはもう少し、みんなの知恵を集める必要があるのではないか、ということになった。谷中コミュニティセンターは区を越えて利用されているものなので、この場合、住民とは文京区民も含みます。おなじく森鴎外記念本郷図書館は台東区民もよく利用していますので、図書館の運営については台東区民も意見を言っていいのです。行政の縄張り主義にはあきれる他ありません。もちろん休日の午後などに災害が起これば、多くの散歩や見学者も防災広場やコミュニティセンターに逃げ込むでしょう。