震災日録 4月22日

耳鳴りがひどい。嬉しいことは石見銀山の群言堂の松場登美さんからどっさり衣類が届いたこと。古着だけどきれいに洗ってあった。私が本をなかなか捨てられないように、デザイナーの登美さんは服が捨てられないのだと思う。「古着を送って失礼かと思いますが」とあったが、なんのなんの。群言堂ファンだけどなかなか買えない人は多いのだから、大事に着た服をこんどは大事に受け継ぎます。さっそく活動に協力している仲間たちに配る。

支援物資は新品に限る、とあるのだけどいつも古着しか着ない私は新品を買ってまで送る、ということに抵抗感がある。阪神淡路の際、ぼろぼろの古着を送る人がいて被災者の心を傷つけたからというのだが。かとおもうと被災地では気に入りの服にメッセージを付けて送って来た人、学校で着るジャージの名前のタグにメッセージを書いて送って来た人への好感を語っていた。思いが届けば、心がつながれば古着でもいいのではないだろうか。被災地で何が必要ですか、ときいたら「マットの毛をとるコロコロがほしい」「学校が始まるので体育館にいる私たちは耳栓とアイマスクがほしい」という声もあった。
夜、幼稚園からの友だちキョウコちゃんに会う。彼女はお母さまの介護で大変。「家を流された友だちに何がほしいと聞いたら喪服がほしいって。あした送るの」。これも現地が想像出来た。すべて流されたけれど、お葬式には黒い喪服がほしい、という気持ちが。被災地では瓦礫の処理をしながら、お葬式もたくさん行われているのです。