震災日録 4月4日

今日は平凡な一日にしたい。
ブータンの王様は8,000万円、義援金を送ってきた。経済的に見れば最貧国なので大変な額だ。私は5年前ブータンに行った。彼等はGNPでなくGNH(国民総幸福量)という指標を使っている。金があり、便利で、ぜいたくができても心貧しく、不幸せな人も多い。足ることを知り、居心地のいい場所とやりがいのある仕事と友だちがいる、それで満足したい。若い人達がそんな風に生きられる手助けをしたい。

八ツ場ダムはこれからも反対したい。政府や東京電力は水力発電のために必要だと言い出すだろうが、あれはもともと首都圏の洪水調節のために計画されたもので、必要性をでっちあげるために、ごく少量の水力発電を後からこじつけてきたもの。

町中に張り巡らされた電線。その醜い景観もさることながら、こんなに電線があっていいのか。たしかに皇居周辺とか外国人のよく来るところはどんどん地中化されているが(地中化がいいとも思わないけど)。
病気をしてから耳鳴り、頭痛がひどく電磁波の勉強をした。町中に住民に知らされることなくNTTの携帯基地がつけられている。放射能も危険だが、電磁波だって数々の障害を引き起こす。がんも含めて。杉並のゴミ焼却所の近くに家を買ってしまった知人はそのことを気に病んでいたが、ローンもあって移転できなかった。そして結局がんで死んでしまった。危ないと思ったら自主判断で逃げるに限る。

午後3時蔵で「アトミック・カフェ」ならぬ「ニュークリア・シネマ」。原爆と原爆に関する映画など。「ドキュメント・チェルノブイリ」(1976年)高木仁三郎解説。いままさに同じことがこの国で起こっている。チェルノブイリはソ連という強権国家でソ連軍の決死隊が中に入って危険な作業をした。福島では民主主義日本は自衛隊に「中に入ッて止めろ」とは言えないのだから、やはりこんな制御不可能な危険な原発を許容すべきではない。

モクレンがそろそろ終わり、白い花は波にさらわれた一人一人に見える。