震災日録 3月24日

きのう、谷根千地区古書ほうろうで『昔日の客』の著者関口良雄さんをしのぶ息子さんの直人さんのコンサートがありました。雨にも関わらず55人参加、みんな不安ななか、集まる所を求めているのだと思いました。静かな心にしみる歌を一諸に歌いました。

丸森町は福島に陥没したような町なので原発50キロ圏で、筆甫地区では住民の避難が始まっているようです。
『樅の木は残った』の舞台船岡のはとこは「森家はみな無事、しかし夫はいないし、姑がデイホームがなくて電気もつかない中介護が大変。食糧はとなり近所が助けてくれる。水は23日やっと出た、余震が大きくて恐くて風呂に入る気がしない」とのこと。
角田の障害者施設虹の園は「みな無事、でも障害者雇用施設のピザハウスは山元町にあって流された」とのこと。
仙台文学館は天井が崩落、再開のメドが立たず、館員の赤間さんは5歳時を山形の両親に預けて働いています。仙台-山形間のバスはあるようです。
石巻の日本で唯一の茅葺き屋根の熊谷産業では「社員は無事、しかし社屋、家屋跡形なし。対岸の小学校の児童が相当数行方不明」だそうです。涙がこぼれます。

那須の真理ちゃんは仮住まいで荷物がほどけないので、まゆみさんにもらった『舞姫』と『円朝ざんまい』をむさぼるように読んだ。することないし、読書は心を支えてくれる、といっていました。
千駄木の川本眞理さんも被災者には食糧が最優先だけどおもちゃや本も届けたい、といっていた。おもちゃもゲームも教科書も流された子供たちもいます。

都のアイソトープ研究所の友人は毎日深夜まで検査です。
水道のヨウ素は心配する値ではないが、8日で半減するので汲み置いて使うこと。活性炭を入れるとかなり効果あるといっています。彼の話は25日夜に聞きます。

82歳の老母の素朴な疑問
・シートベルトとかシューベルトみたいなあれ、なんなの?
・福島原発がいつできたかって、最初の頃ずっと言わなかったわね。4 0年と言えばロートルよね。
・いまのところわかりません、確認中ですって、わからないもの作らないでほしいわね。
・消防の人はたしかによくやるけど、中にいる作業員は誰で、どこで、何やっているのか、何も報道はないわね。
・設計した連中はもう退職して、古い電化製品だから部品がないんじゃないの?
・NHKのアナウンサーは「だいじょうぶなんですよね」と念を押すだけ。自分が恐いのね。民放の方がキャスターが現地へ飛んでいるわよ。
・あんなの見てると気分悪いから、BSで仕掛人梅安見てるの。
・わたしは薬のないとこ行く気はないし、「ただちに人体に影響ない」ったって10年後にでるんでしょう。でもそのとき92だから ね、逃げることないわよ。