11月

11月です。頭痛と耳鳴りは相変わらずです。

ある男のひとが猛暑なので喫茶店でおしぼりで顔をぐるぐるふき、「これは男だけの特権ですなあ」というので、私もかまわずぐるぐる顔を拭いたら、びっくりしていた。「わたしは化粧してないのではげないんですよ」といったけど、はしたなかったかしら。ホントは耳の後や首筋もふきたかったわねえ。

このところ、秋なのか講演をよく頼まれるのだが、本当に腹の立つ事が多い。

半年前に引受けると、それからしょっちゅうメールヤ手紙が来る。それもながたらしい、どうでもよい挨拶ばかり。

こうすべきだ。
最初のメールに書いてほしいのは、組織名、名前、連絡先
講演会の趣旨、テーマ、タイトル、日時、人数、どんな人が多くくるか。
そしてギャラ。失礼かと思いまして、などとはっきり言わない事が多い。
遠方なら交通費と宿泊費が出るかどうか。その手配はどちらがするか。泊まる場所など。挨拶はいいからシンプルにはっきりと。

気のきく人は会場までの所要時間や経路を書いてくるものだ。宿や食事の希望を聞いてくれる。どこかついでにご案内しましょうかと言ってくれる人もいる。

ひきうけると次のような依頼をぽろぽろしてくるが一度にまとめてしてほしい。
プロフィール、写真、内容の梗概、レジュメを送れ、パワーポイントや書画カメラは使うかどうかなど。本の販売はするかどうかなど。車で来るのか、随行者はいるのかなど些細なことまでいちいち聞いてくる。他に仕事はないのか、よっぽど閑なんですね、と言いたくなるくらい。メール往復20回とか。

そのうちポスターやチラシをどっさり送ってきたりする。これ、講演者に人集めしろということか?配れというのか?

そのくせ一回も電話をかけて来なかったり。前の日にリマインドもしないのは担当者として失格。

遅刻するのが心配なのか、シンポジウムの2、3時間前に集めて昼食会だの打ち合わせをする。面白いことはみんな打ち合わせでしゃべってしまう。だから本番はつまらない。だいたい本番の頃はもうへとへとだ。
楽屋にいるとつぎつぎなんとか部長とかなんとか委員長とかいう背広のひとが名刺を交換しにくる。どうせ、あとで覚えちゃいないのに。
講演の前に出される弁当が超豪華、喉に詰まるような刺身にトンカツ焼き肉はんばーぐ。これたべてしゃべれというのか?そして女の人がぱたぱた出入りしては何度もお茶を買えてくれる。コーヒーはいかがですか。一人にしてよ、話す前には精神統一が必要なんだから。

壇上に上がると急にライトで照らされたりする。わたし目の病気でライトは困ります。
フラッシュを勝手に焚いてバチバチ写真を取る。テレビ収録も事前に相談なく撮りにきていたりする。著作権、肖像権はどうなっているのか?びっくりです。

おわってから急に懇親会にさそわれたりする。そんなの聞いてないよ。そうならそうと先に言ってくれ。
おみやげに「お荷物になりますが」と主宰者が重い大きいお菓子や銘酒をくれる。大きなこけしや花瓶の時もある。ひゃあ、これもって帰れというのか。だいたい好き嫌いだってあるのになあ。

1年もたってから、報告書を出すのでテープ起こししたものに目を通せと言ってくる。

そんなの契約になかったよ。もうわすれてしまいましたよ。しかもそのテープ起こしときたら、うーだの、アーだのまでおこしてあるような、誤字だらけの中学生仕事。2時間の講演を直すのに3日かかったり。明治村と松山子規博物館は校正と機関紙に掲載することに対して新たにギャラをくださいました。見習ってほしいものです。

以上、ただしい講演の頼み方、でした。ご参考までに。