7月14日

東京都美術館で、芸大と東大の合同講義に招かれていく。

吉見俊哉さんと相談して本郷と上野、二つの台地をむすぶ話として、森鴎外の「舞姫」がいいのではないか、とその話をした。「舞姫」は東大の鉄門の前にあった下宿上条にいる岡田が、夕食後、無縁坂をおりて上野という繁華街で古本などを見て、不忍池をぐるりとまわって帰ってくる話。そうしたら大学院生が明治16年の地図を張り合わせてくれた。これはすばらしい。明治新政府はやるもんだ。ちょんまげつけてやっとうしていた時から16年で本当にあれこれ洋風建築の学校や官庁をつくっている様子がよく見える。フランスに三ヶ月いっていたユタカが帰って来た。ヌベールを根拠地にあれこれ建物を見て回ったり、最期の1週間はパリ大学の先生にセーヌ川に浮かぶ船の家に泊めてもらったりしたとか。