12月1日

 朝、雲海を見た。小国町「豊礼の湯」を出てとことこ山道を歩く。なんたってロンドン近郊を30キロ、この靴で歩いたから自信まんまん。みな、車で送ってあげようと言うけれど、歩くと義民七兵衛の墓とか、神社やわき水にあえる。

さて今日はどうしよう。と壁湯温泉福元屋旅館の岐部さんに連絡したら、きょうでよかった。いらしてくださいとのこと。昨日は満室、明日は休みだそうな。きょうは一組しかお客をとらずにのんびりしようと思っていたらしいところへ私が押し掛け、結局いろり端で夜中まで飲んでしまった不必要な敬語は使わない気持ちのいいご主人、色白のやさしい控えめな奥さん、4人の子供たちもすっかり大きくなって。人気の宿だが主人たちは落ち着いて変わっていない。なんと私が「隠り国の湯(こもりくのゆ)」と名付けた内湯に私の入浴シーン(ったって暗い上、湯から肩がちょっと出ているくらいですが)の写真がはッてあったのでびっくり。
ちなみにこの宿は温泉宿私のベストテン不動です。ぜひ行ってみてね。ただし東京からはなかなか行きにくいところ。ご主人に宿で大切にしていること、を聞いたら「自然の恵みをいただいていることの自覚」だと言っていました。

 最近、ボーリングしては大きな露天風呂、各部屋に露天、一回ごとに流し捨てる家族風呂といったほんま、もったいないことをしてはる宿が多い中、なんと清々しいお答えでしょうか。「湯水のように」温泉をつかっている宿には天罰よ下れ!とおもっていたら黒川温泉などではそろそろ湯量が足りなくなって来ているとの噂。福元屋さんは御飯は自分とこの田んぼの香り米、料理はもちろん手造り、なんと掛け布団カバーも毎日変えていると言うめでたい心がけなのだ。