朝、中公文庫に『明治東京奇人伝』が2度目の文庫になるのでゲラをもらう。もう17、8年前の本。そのとき使った写真がない。こまった。
田中ふき子さんからスモモ届く。お礼の電話を差し上げるとこんなお話をされた。「今年は天候がおかしくて、5月になっても30度の日があるかと思えば次の日はぐっと10度くらいに下がる。八十八夜を「別れ霜」といい、それから霜がつくのを農家は恐れる。そういうときにタイヤを炊いたりして煙で霜を消すのに今はそういうことは環境上できない。お茶農家は今でも何か焚いて風を起こす。うちは幸い山陰なので、よいけれど、スモモも今年は不作で売るほどはできなかった。それで皆さんに送っています。柿もビワもだめみたい。栗畑も7反ありますが、いつもなら花のころはものすごいにおいで畑にいられないようなのに、今年はちっともにおいがしない。おしべの先がはじけて花粉が飛び散るのが開かない。虫もいない、ハナコバチがきて受粉させてくれるのにその手助けがない。何もかもが重なって今年はあごを釣っているしかないねといってるの。TPPで農業いじめはあるし、もう農業をやめろやめろと言われているようなもので。昭和2年生まれで85になりました。それでも一人で生きて、はしご段の上にたっても大丈夫、天狗になったみたいな気分でいるの」