11月13日

原稿二つ、食事するまもなし。中央線沿線のホームに古い三十も年上の友人を訪ねる。お年とともにますます頭は冴え渡って居られるようだ。その人に指摘されて、自分が末期の資本主義社会の中で不必要にぐるぐる回っているだけのことに思いいたる。「いますぐ仕事を全部辞めて畑に行ってよくかんがえることね。ただし近くにちゃんとした病院のあるところに行きなさい」とのこと。

それにしてもいくらこども手当が出て、子供を生んだとしてもこんな先行きのない社会では生んでも未来がない。こども手当のばらまきより、若者支援にもおなじく対策を立てるべきだと思うがなあ。大学の制度はもう人を育てるには終わっちゃっているが、それにかわる塾とか、徒弟制度とか、もっとスキルを身につけ、人間を鍛える関係はうまれていない。

いっぽう就職できないことは若者の自己責任ではなくて、究極、求人がないからだということの厳しさがはっきりして来た。高度成長で蓄財し逃げ切れる世代が若者批判をするのを聞くと気持ち悪い。そのうちフィリッピンのように、失業率は高いが職のない人を大家族が支えていくように日本でもなるのだろうか。それこそ鳩山さんの友愛社会かもしれないが、そう広くない家に仕事のない家族がうろうろしていたら心の狭い私なんぞすぐ切れそうだなあ。