5月26日

朝からワークショップやシンポジウム。住民よりも研究者やコンサルタントなどが多く、しかも前の方に彼らが座っているのが気になった。住民が主役のはずだから前に座ってもらったらどうか、と余分なことを言ったが、宮城の人々は遠慮深くて恥ずかしがりなようで、無理に前の席を勧めると帰ってしまいそうだ。

行政は海辺には町を放棄して、第六次産業化をすすめるプランを描いている。いわくメガソーラーとか、水産加工とか。そうした巨大で金のかかりそうな、あまりよく考えられてもいない行政プランに、同じような完成されたプランで対抗しても意味はないだろう。貴田さんという方が10平米の小さなコヤを建て、木造のデッキに椅子を並べ、ピザ釜を作って住民の語らいの場にしていらした。こうした小さくて工夫にとんだ試みが私の考える「もう一度ここで」のまさにイメージだ。あまりきれいで理想的なプランを語る人がいると「何度も考え直せばいいんだよね」と思わず隣りの結城登美雄さんにつぶやいてしまった。「そういうことです」と結城さん。震災復興は絵に描いた餅でなく、試行錯誤と臨機応変で行くしかない。