3月12日

古きよき時代のアメリカ映画。『アパートの鍵かします』、これも脚本が抜群。しかしあからさまな映画ですなあ。大企業の平社員は9時から5時まで必死でタイプを打つ。5時にはさっといなくなる。幹部たちは社内で浮気に夢中。バクスター(ジャック・レモン)は彼等に市内の自分のアパートを貸して覚えめでたい。ラブホテルがないんでしょうな。それで昇進していく。部長に呼び出され、「おまえが人気あるのはなぜだ? 前に人気のあった社員は会社の電算機をつかって株でみんなに儲けさせていたぞ」。その鍵をおれにも貸せ、というばっちりパワハラ。その相手とはバクスターがひそかに思っていたエレベーターガール。部長は妻と別れるというだけで別れる気さらさらなし。若い女の体がほしいだけ。よくある話。絶望してバクスターの家で睡眠薬を飲んで。シャリー・マクレーンって、若いころこんなにラブリーだったのね。最後は二人で楽しくトランプ。キスシーンすらないのがいっそ清々しい。テニスのラケットでスパゲティのお湯を切るのも秀逸。しかしアメリカの会社って本当にこんな乱脈?
ジュリーざんまいから映画ざんまいのお粗末。