3月6日 上野駅の幕間

八ッ場ダムのことで写真家の本橋成一さんのところへ久しぶりに電話したら、お昼ご飯を食べにおいでよ、ということになり、東中野へ。とってもおいしいシチューとパンとサラダをいただいた。最近本橋成一写真集『上野駅の幕間』が平凡社から再刊されました。すばらしい本です。国鉄時代の駅がまだ民衆のものであった時代の。今みたいに金儲けばっかり考えてエキナカに何十軒も店が入っていない時代の。
駅長室はハードロックカフェになり、私が好きだった待ち合わせカフェは「被災地東北の物産を売る」とかいう大義名分で物販販売になってしまった。駅構内で徹夜したり、酒盛りしたり、フォークゲリラやったり、詩集を売ったりしたら業務妨害で今なら逮捕されてしまいそう(阪南大学の先生みたいに)。
駅は国民のものから、私企業のもうけの場になった。ぜひ、良き日の上野駅、出稼に来たまま、山谷に滞留して、古里に帰れなくなったおじちゃんたちが、ふるさとのなまりを聞きに来ていた駅をこの写真集で偲んでください。