10月22日

きょうは芸工展の夜店通り方面を見てこようと思って、仕事が一段落したのででかける。根津のりんご屋さんは詩人で、その詩の展覧会をすずらん通りのアパートでやっていておもしろかった。ここもかわってないなあ、創刊以来毎号80冊買ってくれた美奈子に恩義があってつい行っちゃうけれど、ほかのお店にも入ってみたいものだなあ、と思って歩いていると、ほかのスナックのかたから、モリさん、長いことご苦労様と声をかけていただき嬉しい。

くま推奨店 其の二
すずらん通りでおなかがすいたら、「鳥ぎん」の白い暖簾が出ていた。 ここも長く来てないなあ。昼もやっているんだとガラーリ。おじさん変わってない。20分かかりますよ、というので、その間、道灌山通りにちかいUbatamaにいって芸工展のオリジナルTシャツのことなど聞いていた。店主は芸大出身で新国立劇場のバレーの衣装などを作っている。遠くから見る観客には見えないかもしれないのに、手を抜かずに素晴らしい絵を施してあってビックリした。

さて、ちょうど五目釜飯が炊きあがった頃、鳥ぎんにもどる。味はまったくかわっていない。おじさんもほとんど変わっていない。

「むかしはよくお子さん連れて来たよねえ」

「うん、この裏にすんでたから」

「いまはどこ?」
「白山のほう。おじさんはどこの生まれ?」

「岩出山、宮城県」

「そう、東北の方かと思っていたんだ。私、いま宮城で畑やってるの」なんて話している。

「そういえば、結婚式の晩も二人で来たよね。あんなラブラブだったのに別れちゃったんだって?」釜飯がのどにつまり、絶句。優しいおじさんのおいしいお店です。釜飯1050円。