9月23日~26日 丸森行き

3ヶ月ぶりに第2の故郷、丸森へ行き、かつてお世話になった方々に挨拶かたがた、この1年半の身辺のこと、今思うことを聞いたりして来た。たとえば米は集落単位で放射線値をはかるが、野菜については町全体ではかる。ものすごく広大な丸森のどこかでしいたけが基準値を超えると、丸森町全体のしいたけが出荷停止になる。タケノコもそうだ。去年は不作でまだよかったが、今年は大豊作、しかし売ることができず放置も出来ないので、「かぐや姫探し隊」などボランティアを組織して、タケノコを掘っては捨てた。悲しかった、もったいなかった、という。でもそれをしなければ竹になってしまい、ますます竹林が荒れるばかりだ。「4週間、3ヶ所でとったものが続けて基準値以下だと出荷停止解除になるんですが、そのころにはタケノコだって終わっちゃうし、山菜だって終わっちゃうよ」と計測のおかしさを語っていた。また山菜やタケノコ、キノコはどうしても高く出るが、葉ものなどは基準値以下、それでも一品でも出荷停止のものがあると、あそこは高いといった風評被害が起きていると言う。また東電の補償は農業者だけで、しかも去年の売上げがはっきりしている人だけである。レシートや売った証明をできない農家がおおいため補償はメンドクサイから出さない、という農家もおおい。ようやく風評被害による飲食店の補償もはじまったが、これも昨年の売上げをきちんと補足している店に限る。「うちだけだって100万以上は売上げ減、だけどうちが少ないということは、うちが仕入れている肉屋さん、魚屋さんもそれだけ減った筈だけど彼等は補償を求めるのかな」とレストランのシェフがいっていた。

今の丸森の生活を映像に収める。高齢者は年金もらい、大したことないべ、何がやがや騒ぐんだ、と大わらい。子育て世代や若者はここで暮らして大丈夫か、と悩む。悩んだ末、ぎりぎりの計算をしてすむことに決めている。葉ものや大根にはほとんどセシウムは出ていない。小さな里山の中にも不協和音のあるような。とにかくここを見つめて行かなければならない。