7月8日 ジョン君

ジョン君が九州ヘ行く前に挨拶に来てくれた。彼はカリフォルニア工科大学を卒業後、ロサンジェルスで設計の仕事をし、九大に一年留学し、秋からはハーバードの建築科の大学院に行く。3月にニューヨークで友人の息子さんと一緒に会って、夏には日本に1ヶ月行くので、東北に行ってお手伝いがしたい、と言っていた。それで7月2日朝に来たジョン君にそのまま仙台まで行って石巻の熊谷さんを訪ねるように言った。彼はそのとおりにして、石巻、女川、追波湾あたりを自転車を借りて回ってきたという。「みんな悲しいことの後なのに明るい顔をしていた」「草刈りの手伝いをしました」「ぼくはまた石巻に行きます!」という。いい経験をさせてもらったので森さんにありがとうと言いたくて、と重いトランクで羽田に行く途中に寄ってくれたのだ。かれはフィリピンの移民の子どもだ。背負うものは重かろう。そのことが彼のやさしさと誠実さを育てたのか?「熊谷さんがタガログ語を話すのにはびっくりした」という。そういえば茅葺きの熊谷秋雄さんが昔、フィリピンに海外青年協力隊で3年も行っていたことを、ジョン君にいわれるまで忘れていた。