震災日録 1月15日 どんどやき

小正月。おんな正月とも言う。前日、こどもたちはわら靴に藁の合羽をきて「あわんどり へんどり、天竺まで立ち上がれ」とうたって歩いた。粟食べる鳥、稗食べる鳥、どこかへいってしまえ、という歌。森鴎外の『山椒大夫』でも老いた母が佐渡で雀をおっているシーンがある。「安寿恋しやほうやれほ、厨子王恋しやほうやれほ」
藁束を高く積み、そこに去年のお守りや習字をつけて焼く。そこでほしいかを焼き、甘酒もふるまわれた。お昼はすばらしくおいしいそばをいただいた。
かえってきたら放射線値の高いところでどんどやきをすると拡散に繋がるという誰かのブログを読みました。
夜、海の汚染をしらべたNHKを人のテレビで見る。ドキュメンタリーに定型的な「見つめています」でなく「最新報告です」というアナウンスがよかった。10時からは菅原文太さんが旅人で自由民権と東北のことをやっていた。いまの津波、そして原発立地も戊辰戦争の負け組、東北に対する過酷な処分に端を発している、という論点をよく聞く。
戊辰戦争の研究者としてはかなり当ってはいると思うけど。「白河以北一山百文」という差別に抗して河北新報はできた。そして福島では河野広中、三浦文治、刈宿仲衛などが自由民権の狼煙を上げ、憲法を構想した。タイムリーな企画だし、久しぶりに色川大吉さんに画面でお会いできた。中央の代弁者県令としての三島通庸に泊原発再稼働を許した一見かわいい経産官僚高橋晴美がかさなる。県知事は中央官僚の天下りであってはいけない。地元の声の代弁者であるべきだ。