震災日録 11月26日 復興村 

何時ものコースで仙台経由、石巻へ。利府でおいしい手打ちそばを食べた。
それから長面浦の坂下家を訪ね、12日の牡蛎の打ち合せを行う。長面浦のスレート葺きの家々はこわされはじめている。その手前の集落が壊滅して、田んぼはみな海になり、生活する基盤がなくなったこと。いまならタダでこわしてもらえること、こわして新築するひとにはいまなら補助金がつくこと、などがせっかく残った半壊の家の全面破壊を進めている。しかしそのまま残して他に新築しても補助金は出るらしいのに。
それから追分温泉へ。80を過ぎて復興村の現場監督をなさっている建築家の黒沢先生のはなしを聞いた。石積みは白洲正子邸の庭を設計された福住さんがボランティアで手伝っていらっしゃるし、熊谷さんの意気に感じて手伝う人が多いのに驚く。ところで滋賀の栗東に住む吉成麻子さんという方が坂下清子さんの応援に何度も来ていらして、初めてあって意気投合した。よく聞くと小堀鴎一郎先生の娘さん、ということは小堀杏奴さんのお孫さんで、森鴎外のひ孫さんということになり、ふしぎな縁を感じた。亡き須賀敦子さんともお母さまがお友達で一緒にご飯を食べたり遊んだりしたという。須賀さんの思い出話でも盛り上がってしまった。