震災日録 11月23日 八ッ場「ダムの一つ覚え」

学士会館で講演とシンポジウム。200人近く集まる。
アーサー・ビナードさんのファンも。本質的な話を分かりやすくしてくれた。
もともとダムは好きだった。ミシガン州生まれでビーバーが冬を越すダムの話からはじまり、20世紀という時代がいかに不必要なものを作ってもうけて来たか。『資本主義に失礼』という言葉が耳に残る。たしかに渋沢栄一たちが考えた資本主義はもっとまっとうだったはず。みんなに必要なものを作るのに1人ではできないから共感する株主からお金を集めて、というものだったはず。これが経済道徳合一説。
それが軍産複合体制のなかでいらないもの、兵器を作ってもうける、戦争をして人を殺す。それもできないならダム。アメリカでモ1920年代まではフーバーダムなんか作っちゃって、もう時代遅れで、もっともうかる核開発、日本は唯一の被爆国なので『核の平和利用』でもうけようとした。アメリカが正力松太郎、中曽根康弘のカモネギコンビをエージェントに、CIAも動いてゲンパツを導入、いっぽう「ダムは無駄」のダム開発も依然続く、と20世紀を世界史的に整理してくれた。
このへん、「核とわたしと原子力」映画祭でもさんざんみたけど、映像という「小道具なし」で説得するビナードさんはすごい。感服。「みなさん、ゲンパツは発電機だと思っているけど、あれはプルトニウムという兵器をつくる巨大機械なんですよ!」
そのとおり。私は食べ物以外にものを買わないのに1週間経てばゴミ袋は紙でいっぱいになる。それは各省庁や天下り財団が無駄な機関紙を送ってくるからで。電気も無駄にいっぱいついているし、この無駄をなくせば原発はもちろんいらない。地球は延命する。場数を踏んだビナードさんにはおよび身つかないが、初舞台のサトコや森さやかさんもよくやった。嶋津先生の説明も分かりやすかった。