震災日録 10月29日 福島の子供たち

寄田くんは福島の子供たちを反原発の運動の先頭に立てるのに反対だという。子供が対国の交渉に参加し、記者会見などをするのが不愉快だという。私もこの間、それを感じてきた。子供はなんにも考えずに元気に遊んでいればいい。大人はそういう生活を守る義務がある。メディアの前に出された子供たちはなかなか落ち着いていいことをいっていたが、それは彼らの意思なのか、運動関係者の子供なのかよくわからなかったし、痛々しい感じもした。大人の運動に子供が自由意志で参加するのはかまわないが、子供を利用するのはよくない。
私たちは丸ビル保存のためのビル包囲の手つなぎに、忸怩たる思いで、しかし人が足りないので我が子らをかり出したが、ヤマサキマキちゃんが『こんな手がちぎれるくらいならビルを壊した方がましだ』といったのがわすれられない。それでもきたメディアは子供ばかり映そうとした。
妊産婦や赤ちゃん幼児はできるだけ福島、郡山はじめ線量の高いところから避難してもらいたい。政府がそれを責任を持ってやらないなら、呼びかける運動も必要だ。しかし家族が離ればなれになること、ほかにもいろいろ理由があって出られない人もいる。そこにとどまる家族や子供の生活の質を保障する活動も必要なのである。