震災日録 9月13日 ふたたび食品問題について

武田邦彦中部大教授のあおり方は物すごい。テレビで「東北の野菜や牛乳は健康を害するので捨ててもらいたい」。一関市を引き合いに出して「畑には青酸カリが撒かれたようなもの」などと発言。これに反論した勝部一関市長に抗議の集中メールが殺到。その内容は公表されていないのでわからない。
わが第二のふるさと丸森町は1万5000人の町でもちゃんと町のホームページに農作物や水、大気の放射線量を載せている。これに対し、11万人の都市なのに、一関市は市独自では測定していないらしく、ホームページも見にくい。
しかしこれをめぐる2チャンネルのかきこみはすさまじい。でもここにもある民衆意識が見られるのである。主な反応。

安全と言いきるほうがよっぽど怖い*本当のことを言って何が悪い*東北とくくるのはおかしい、静岡まで全滅と言うならわかる*被災地による正論たたきである*本当のこと言っただけじゃないか*市長の気持ちはわかるが事実だから*東日本は農業、漁業、畜産やめてすべて賠償してもらったほうがいい*静岡と岩手じゃ変わらないんじゃない?*同情論で農家を擁護しているやつは自分の子供に東北産を食わせてみろ*農家の感情は国民の健康より優先されるのか*静岡の茶が飲めないのなら関東だって危ない。

ほとんどは非科学的、冷静でないあやふやなものの見方のように思われる。
テレビに出続けで過激な物言いをする武田邦彦氏にも批判は多い。

産地で判断しない、それぞれの野菜を測定して安全な物だけを売ること。
危ない野菜を買いたたいて安く市場に流し、それを使った料理を出す外食産業もないとは言えないから、外食にも注意、信頼できる店で食べよう。

きのうのカタログハウス福島産野菜応援売り場の北沢さんに電話でもう一度いくつかの質問をしてみました。(文責・森)
――なんで桃にセシウムが出やすいのですか?
それはわかりません。出ない桃ももちろんあります。いろんな説があります。梅や桃は産毛にたまるという説もありますが、定かではありません。
――プルトニウム、ストロンチウムなどの核種は測らないのですか?
いまはヨウ素、セシウムに種類だけです。ヨウ素は半減期が8日なのでさすがにいまは出ません。ストロンチウムを測るには何千万もする機械が必要なようです。プルトニウムは重いので遠方や時間がたってからは心配ないと言う専門家の意見を聞きました。
――生産者別にわけてから生産地ごとに測るのはなぜですか?
生産地ごとの生産者は数が少ないですし、隣接した畑なので生産地ごとに一品目ひとつずつ抜き取りで測ります。それだけでも大変な手間で現地と手分けしています。
――海産物はどうでしょうか?
どこでとれたのがどこで上がるかなど農作物より難しい問題はありますが、前から乾物として取り引きのある三陸のワカメや昆布は取り寄せて測っています。今のところセシウムは出ません。
――こういう取り組みをもっと広げて行くことはできないでしょうか?
いまはモデルケースですので、軌道に乗れば広げて行くこともできます。農協などが視察に見え始めています。ノウハウは独占しようとは思いませんし、いくらでも提供します。とにかく現実を直視して消費者の方々に正確な情報を提供したいと思っています。