震災日録 6月16日 東京駅屋根のスレート、最終報告です。

三ヶ月した頃が一番疲れが出るという。石巻から気仙沼、その様子を見てきただけで疲れがどっと出て歯が浮き、腫れて来た。被災地のみなさんの疲れも思いやられる。

東京駅のスレートについても、出る釘はうたれるのたとえ通り、ブログに対する誤読や批判の匿名のメールが来るようになり、心は重い。この国では何かを率先してやろうとする人の足を引っ張ることになっている。まあ、それは谷根千で経験済。

この話自体、被災地の小さな企業が困っていることの実情をたった17人の人に回したメールがきっかけだった。それが要望書に発展し、あっというまに5000人の賛同者が集まったことにも驚いたが、ネット社会の恐さも感じた。またそれぞれの新たなコメントが付けられて伝言ゲームのようになってしまう。

とにかく被災スレートは使えるだけは使っていただけることになったので、他にもしなくてはならない仕事は山ほどあり、私は東京駅のスレートについてはこれで終わりとする。現況については「赤煉瓦を愛する市民の会」のホームページでご覧ください。

*「スペイン産瓦を元々7割も使う予定だった」ことについては私たちは知るわけもありませんでした。4月にJRから聞いて新しくわかったことはその後、賛同者の方たちへは報告してあります。

*賛同者のなかに塩害を心配されている方がいたので、独自に調べてみようとスレートのかけらを持ってきましたが、それは道路などに散乱していて瓦礫として片付けられるべきものを熊谷さん、木村さんの許可を得て「どっちみち使えないものだからどうぞ」というのでいただいてきたものです。塩害はまったく心配ないようです。

*いっぽう「雄勝のスレート産業を復興する会」の口座には現在、多くの支援金をいただいております。この場を借りてお礼申し上げます。代表者がないと口座が開けないので、いちおう私の名で作りましたが、「東京駅を愛する市民の会」へ通帳はお渡ししました。これはJR東日本とはまったく関係ありません。これから洋館を葺く国産材スレートを確保するため、地場産業を育成するためのものです。