震災日録 6月10日 城南信用金庫

北里病院へ。久しぶりに主治医津田篤太郎先生に会ってなんだかほっとする。信頼し尊敬する方がいるというだけで落ち着く。鳥取大から家中茂さんが見えたので谷中や根津をぶらぶら、はいりたい店多々あれど海上海で紹興酒。

財界のソフトバンク孫社長、楽天の三木谷社長、城南信用金庫の吉原理事長などは脱ゲンパツを言いはじめている。他の財界人はどうしたのか。私も4月に「原発は地域振興に馴染まない」という吉原さんの胸をすく発言に感銘をうけた。しょっちゅう電話をかけてきて保険型貯金や投資信託などを勧めるメガバンクにはうんざりだ。すぐ城南に口座を開こうとして神保町で探したのだが見つけ損なった。専修大の近くだそうだ。城南は五反田が本店。うちの近くには支店はないが、そもそも銀行なんて年に何度も行かないのだから。

それにしてもメインバンクにしているみずほ銀行、動坂支店に子どものとき作った口座を今も使っているが、長年ひどい目にあってばかり。極貧時に「お姉さん,ボーナスちょっとはいれてよ」なんて馴れ馴れしい口をきいた窓口の男もいた。ローンの繰り上げ返済に行ったら「組み直しにまたお金がかかるからやめたほうがとく」と相手にしてもらえなかった。昨年はローンの借り換えをすすめておきながら、忙しい年末に住民票だの課税証明だのそろえて持って行くと、1週間後「あなたの年収では組み直しは無理」ときた。その後、システム障害は起こすし、一番近い白山上のATMを「節電対策」に便乗して閉鎖。ほんと腹が立つ。だんだん城南に乗り換えていくつもり。城南信用金庫はリスクのある預金もすすめないし、変なところに貸さないので不良債権もないそうだ。

吉原毅理事長の話を映像で見た。「信用金庫は18世紀のイギリスで生まれた協同組合に発し、もともと地域を守りよくするためのものである」「企業にも理想や魂がある」「誇りのある職場で働きたいとみな願っている」「今までの国民の無関心が福島の方々に迷惑をかけてしまった」「安全安心という政府や東電のいっていることはことごとくはずれ原発は一歩間違えれば取り返しのつかない危険があるということがよくわかった」「閉鎖しなければならなかった福島の信用金庫の方々の思いは人ごとではない」「新しい省力の空調設備と扇風機を組み合わせたり、LED電気に変えたりと企業努力で3割り節電は可能」「自分のうちでも4けたの消費電力計を見るのが楽しみになってきた」「お金は時に麻薬になる。お金の暴走を止めるのが金融マンの仕事」。自前の言葉を持っている素晴らしい経営者だと思う。

4月に即、言及したかったのだが書きそこねた。でも言葉はあまり紹介されていないと思うので書き留めておく。城南信金は1億円を義捐金として贈り、理事長自ら石巻などへ経済支援におもむき、従業員らも炊き出しなどを続け、縮小を余儀なくされた福島あぶくま信用金庫、宮古信用金庫などの従業員を採用、救済している。これもすばらしい。