震災日録 5月2日

ある方が宮城県の農作物の放射性物質測定値を送ってくれた。朝日の記事で「基準値下回る」という見出しで、県は「安全性に問題がない」と話していたそうだが、ホウレンソウの最高値は丸森町の126、3ベクレルという数字を読むと胸が塞がれる。基準値というのは「安全です」というお墨付きではなく、「ここまではしかたないでしょう」ということなのだから。どこかでは洗ったホウレンソウを測っていたらしいし、ハウスものを測っているところもある。露地栽培だともっと出るよね、と丸森の友人はいう。

南相馬に行った友人が聞いてきた話。ボランティアの中には放射能計測器を持って来て1日中はかっている人がいる。ガーガーピーピー言って、住民は「危険なのはわかっているけど迷惑、うるさいし、子どもも怖がる。行政が大丈夫といっていているから土地を捨てて逃げられないのに本当に腹が立つ」といっていたそうな。「うるさい」といったら「そうですか。朝夕1日2回測ればいいんで」といいつつ玄関先で煙草を吸って、ますます住民に煙たがられたとか。うーむ。

『即興詩人のイタリア』が文庫になり、解説を書いてくださった武谷なおみ先生にお礼のメールを出したら、京大原子炉研の「熊取六人衆」のうち2人と院時代の仲間なので講演があると聴きにいっています、とお返事。イタリアは5月が一番いい季節なのになあ。きょうから私は地震の前に約束した能登の七尾の青柏祭を観に行く。