10月25日

『東京人』の取材で半日十条の居酒屋めぐり。このところ森鷗外の作品を子ども向きに訳している。講談社の編集者稲葉さんより「舞姫と高瀬舟が同じひとの作品とは信じられません」との意見、賛成。高瀬舟は安楽死問題を描いているというが、むしろ「生きる意味」を問う作品だと思う、という私の意見にも反応してくれた。反応してくれる編集者だと仕事のしがいがある。それより山椒大夫の離ればなれになったお母さん、いくつだと思う?子供のときの絵本や紙芝居には盲目で白髪の老婆が出ていたがこれはなんと32、3歳。だって12歳の厨子王と別れた時、30を出たばかり、厨子王は安寿の犠牲で逃れ、13歳で佐渡の国士になるのだから、そう時はたっていないのだ。びっくり。