スポーツクラブもなかなか通えない。今日からは鳥取県鹿野町というところで3日間、ぶっとうしに町作り合宿がある。いまどきそんな長いのがあるかよ、とかえって興味を持ち、行ってみることにした。鳥取はまず行かない、今回三回目。百聞は一見にしかず、素晴らしいところだった。小京都と言ってもいい。中世に亀井家が創った城下町、広い堀、材の贅沢な清らかな町並み、それを守ってきた人々。壊される製糸工場を買い取って「しかの心」なる喫茶店搗き集会所に、古民家を改修して「夢こみち」なる地元の主婦たちに夜お食事どころに、おなじく「夢本陣」という手造り工房に。それぞれみんな採算をとっている。その町作り中心メンバーの一人、小林清さんが千駄木を根城に東京でビジネスもされていることから今回のお招きとなった。二年前には山﨑範子が御邪魔したそうだ。その他、すぐ近くに廃校になった小学校を根拠地に、「鳥の劇場」という素晴らしいレベルの演劇集団がいるのもすばらしい。今回は合宿に先立って何とその劇場でブレヒトの「肝っ玉おっかあ」を一部、新訳で見せてもらいました。すごいところだ。外来者も友だちの結城さん、松場登美さんがみんなを笑いの渦に巻き込み、竹富島の狩俣先生、鳥取大の家中先生、と楽しいメンバーで疲れたが有意義な三日間でした。
一番面白かったはなし。狩俣先生のお父さんの時代は竹富では商品経済がまだなく、明日運動会というので、お父さんのお母さんは前の日から、糸を紡いで機を織り、それを裁断して運動会に着用するパンツを手縫いで作った。それをはいて徒競走に出たら、途中からパンツは裂けはじめ、ついにはびりびりにやぶれてしまい、観客は大笑いだったとか。なんていい話でしょう。