青空。窓からぼーっと見る。母のところで新年会。持って行った中華
のおせちに他の人の持って来た料理をつめてかえる。「いつまでも減
らない魔法の重箱」とサトコが笑う。ヒロシは年越しバイトでくたくた、
私も3時間は保たないので9時には帰る。加藤周一さんの追悼集を読む。
一度くらい、お目にかかったり、または講演だけでも聞いておくのだった。
機会はあったのに。一度だけ鎌倉の喫茶店へ夫人の矢島翠さんと
入って来られるのをお見かけした。矢島さんは共同通信の記者だった
ころからファンだった。男女雇用機会均等法の前、共同の原寿雄さんに
「何で、矢島さんはお辞めになったんですか」と聞いたら、
「人生をかけるべき他のことが見つかったんでしょう」と静かにほほえまれた。
いろんなことを思い出す。