7月14日

以下は私の本「青鞜の冒険」を出してなお、やまない考えや疑問に関するメモである。興味のある方だけお読みください。

煤煙事件について、平塚らいてうを考える。山川菊栄いわく「よく人をびっくりさせる人で自分の事を予と書いた」には笑ってしまった。塩原事件のあとに見舞いにいったら、「世評はどこ吹く風とばかり、いつもの通りしとやかに、しかし勝ち誇り、自信に満ちた面持ちで禅を説いた」というからすごい。

らいてうの自伝から、二人は愛し合っていなかったと思う。らいてうが書いている言葉。「理解されたとも思っていない」「好奇心とスリル」から「行くとこまで行ってみよう」と思ったのではないか。いってみればこれも冒険であり、火遊びであったのだ。

お茶の水的教育の影響というのもあるだろう。「文学に触れ得ない」「読書をしない」ともいっている。「明治女学校へいっていたら」と悔しがってもいる。そのぶん「性におくて」だった。