11月16日

朝、尾道の崖線上にある寺めぐり。午後の列車で宮嶋の先、大野浦にあるいま評判の宿上野純一さんの石亭にいって、ゆっくり時間を過ごし、温泉に何度もつかった。部屋から庭に出るところは両側から来が額縁を作り、その向こうに海が見える。上野さんは父上のはじめた旅館の屋根が台風ですべて飛んでしまったところから廃業も考えたが一念発起していまのこのすてきな宿を作り上げた。子供に宿をつがせることはないし、もしついでも子供の好きな風にやりかえればいいと言う。すっきりしたお考えだ。私には分不相応ではあるが、高級旅館にありがちな気取ったところがなく、親切で居心地がよく、館内に本の部屋やお茶の部屋や座ってみたくなる椅子の部屋があって楽しい。娘は「大人の考えで人を決めつけない方だね」と少しの会話で感じ入った様子。