12月13日 谷根千の様変わり

谷中出身、62歳の方より谷根千宛にメール。アドレスがないので返信できない。「時々実家に帰ると、人はぞろぞろのべつ幕なしで、谷根千マップを持った吾人が闊歩されており、ウサギ小屋の住人としては受忍の限度です。また、谷中銀座を始め商店街は旧来の店は閉店し、殆どよそ者がやっているような気がします。実際は『武藤書店』の御主人のように知己の方々は鬼界に入られてしまったのかも知れませんが!
 谷中の五重塔が凛として聳え、人の往来が増えるのは、お彼岸とお盆の年3度というような往時環境を回復して頂きたいと考えています。『谷根千』はお袋が読んでいたものを時々寸読いたしておりましたが、『谷根千』の思想からはどう見ても現状は別次元に来てるのではないでしょうか?」
このようなご意見を最近あちこちでききます。私たちは谷根千の歴史を掘り起こして定着するのが目的でしたので、今起こっているような観光化を引き起こすつもりはありませんでした。観光化を私たちの責任である、というのは自動車を発明した人に交通事故の責任をとれというのに等しいナンセンスです。
とはいえ、谷根千の現況を憂慮はしています。しかし一見、観光地に見えますが、そのなかでじっくりと相互扶助と風通しのよい共同体、居場所づくり(社会的包摂)を続行している仲間もたくさんいます。