9月14日

今日も原稿の直しとエッセイなど書く。仕事がたまっているのに、竹富ボケですすまず。1時間やっては家の掃除、ガス台磨き、洗濯、ゴミ出しなどで集注力のないことおびただしい。夜はメバチマグロ、エビのガーリック焼き、なすの漬け物でワイン。
みすず書房から出た『長い道』を読む。宮崎かづえさんは家族にかわいがられた子であったが10歳のときに長島愛生園にはいった。通い続けてくれた母の事、足を切ろうか悩んだ事、家族が会いにきてくれない療友のこと、結婚の事、どれもせつない。「あの温かさがあったから生きてこれたんだよ」という療友の死を看取る文にわたしは泣いた。私は戦後、普及したプロミンでこの病は救われたのかと思っていたが、宮崎さんの場合、プロミンがあわないタイプだったようで、そんなこともあるのか、と驚いた。ギリシアを舞台にしたヒスロップ『封じられた島』もおもしろかった。