11月21日

高知へ。安芸の土居家中という侍屋敷の町並みを見学した。案内してくれたのはほとんど公務員か公務員OBであった。伝建になっても集落内には土産物屋や喫茶店には入ってほしくない、とみな言っていた。が、それは生活に不安のない人たちだからいえることだ。ここはもともと侍屋敷だから子孫は公務員が多い、公務員も住民なのだ、と言っていたが、なるほど江戸時代の士族はいまでも地方公務員になっているのである。階層のシャッフルが行われていないのは不公平な気がした。

そこから畑山の圭子ちゃんの家に行った。この人は愛媛の宇和島からずっと海沿いにいった遊子というところの漁師の娘である。早稲田の政経の後輩でもあるのだが、学生時代からふるさとの段畑の保存運動に関わってきた。東京で就職せず愛媛新聞の記者になったと思ったら、何年も立たないのに、土佐ジローなる鶏を飼っている男性と結婚してしまった。母親と同い年だそうである。びっくりした。いまは畑山温泉の女将にして、とりの飼育と農業をしている。会ってみると、うーむ、いい男を見つけたと言わざるを得ない。