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手は語る−日暮里の町工場を歩く

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ブラシ屋・川口善弘さん〈1〉ブラシ屋(上)
2005年2月1日(火)  阿部清司 あべ・きよし
ブラシ屋・川口善弘さん〈1〉ブラシ屋(上)    ブラシ屋稼業46年、川口善弘さんの賃金推移
  1959(昭和34)年  15歳  1日当たり 50円(月給1500円)
  1974(昭和49)年  30歳    同   5000円(月給15万円)
  2005(平成17)年  61歳    同   5万円

「ひと月の稼ぎ? だいたい平均すると100万ぐらいかな。そのうち三割が材料代だから、粗利は7割だわね。金額は仕事によって違うよ。1時間やって2万円の仕事もあれば、1日で2万って時もある。まあ、最低2万は稼げないと、やらないけどさ」
 東日暮里2丁目18番地(前回までのタカノと同町会)にある『川口ワイヤーブラシ製作所』は、工業用ブラシを製造する町工場だ。主、川口善弘(よしひろ)さんは1944(昭和19)年生まれの61歳。荒川区から技能功労者(荒川マイスター)と認定済みで、業界では、たしかなものをつくるブラシ屋、として広く知られる存在だ。
「ここんところ忙しすぎて、ちょっと参ってんだよ。忙しすぎるってのは、よくないね。これ、ほんとだよ」
ブラシには工業用の他に、歯ブラシ、化粧用、産業用、各種刷毛などたくさんの種類がある。モップやデッキブラシだって、もちろんその仲間だ。
「うちなんかすき間産業。だから、人はあまりやりたがらないわな」
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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阿部清司 あべ・きよし 建具見習い、時々ルポライター
1974年生まれ。2000年9月に神奈川から谷中へ住まいを移す。いくつかの業界紙・誌の記者職として生計を立て、04年5月からフリーとなったが同年末にあえなく撃沈。05年1月、神奈川に帰り、家業の建具屋の職人に見習い小僧として弟子入り。「谷根千」67号74号78号に「日暮里駄菓子問屋街」の取材記事を寄稿。菓子業界はじめ、さまざまな工場に出かけて職人の話を聞く。
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