サイクリング

卒業式も終わり、「最後のセーラー服だね」なんてセンチなことは嫌いと、さっぱりした娘だ。
連休の最終日。4月から自転車通学を希望しているあゆみだが、いまだに自転車で高校に行ったことがなく、ルートがわからないというので、行ってみようということになった。
まず、自転車を買いに。今まで乗っていたはミニサイクル。これは長女と共有で、あゆみは塾に行くときぐらいしかつかわなかったので、ほとんどお姉ちゃん専用だった。
専用の自転車をということで、近くの店に行ってみたのだが、いっぱい並んでいる割に24インチがない。26だと足がちっともつかない。(ほとんど26と27インチ)26にまたがって精一杯つま先立ちしているあゆみはいじらしい。しかし、これを買って事故になったらと、考えてしまう。26インチはダメダメ。
しかし、数少ない24インチは、ほとんどパステルカラーお嬢様御用達みたいな色と形。あゆみの一番嫌うところ。「黒かシルバー」という簡単そうな願いは、かなえてあげられない。
いったん店を出て、違う自転車店を見てみる。去年の夏に葬式の帰りにパンク修理してもらった店だ。沢蔵主稲荷のお使いか? と思ったほど、あの時はこの店に救われたのだ。
店のお兄さんは静かな声で、「24インチを置いている店は少ないんですよ。もしあったとしても、たくさん並べるほどは置いていないと思いますよ」と、宮田自転車のカタログをくれた。これで気に入ったのを注文すれば黒も手に入る。しかし、あゆみは今日買って、その足で学校まで行きたいと言うから、残念ではあるが、もう一回前の店に戻る。
結局、シルバーの24インチが1台見つかり、それに決定。
体が小さいということで、いろいろ簡単には手に入らないことが多かった。スキーウエア、自転車、洋服、靴、子供っぽい柄や形が嫌いだからなおさら難しい。
まあ、とにかく前にかごが付き、後ろに荷台が付いているので、これからは買い物にも行ってもらえる。(これまでは兄二人とあゆみたちの自転車、どれも前かごさえついておらず、買い物をしても私一人が荷物を運んでいた)
さあ、出発。本郷通りをまっすぐ。途中、一里塚だの、飛鳥山の説明をするのだが、今、そんなこと聞いたって、わからないよ。とブーブー。王子の駅前まではすんなりきたのだが、このあたり、大きくカーブする都電の路線もあるので、道を渡れなかったり。そのまま坂を下ったら目的地がわからなくなり、駅付近でウロウロ。
結局1時間近くかかって学校に到着。もうヘロヘロ。でも、電車に乗って帰るわけにも行かないので、王子駅までの道を確定しつつ、また本郷通りを戻る。駒込辺りで起伏があり、少し下ってまた上る。これくらいはまあ、ギアなしの自転車でも対応できるみたいだ。(24インチにはギアがないといわれたが、それは気にしていないようだった。今になって後悔しているようだ)
家に帰り着くと、腿がもう完全に上がらない。疲れた。もうダメ。アシスト自転車の私がこれだから、あゆみはもっと疲れているに違いない。
本当に毎日学校に自転車で行けるのだろうか。上3人も自転車通学だったが、平坦地をひたすら走っていたからまだ良かったのだが。
通学時間を考え、逆算するとお弁当を持って出るには、私は一体何時に起きなければいけないのだろうか? お弁当の作り方も春休み中に教えておかなくちゃ。