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くまのかたこと

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1月6日、1月7日

1月6日(火曜日)
ぎっくり腰をやるのは年末年始に多い。張り切って慣れない大掃除をやったりして。中腰はよくないし、右手だけ使って拭き掃除もバランスが悪く腰を痛めるもと。それでも安静にしていると体が固まるので外に行った方がいい。きょうは編集者の入澤美時さんという大変興味深い方と会って話が弾んだ。夜は吉田類さんの天空句会にいってたのしかった。誰が読んだかわからないのに点を入れる。すごくフェアなゲームである。句会はこれで二回目だけど、私の読んだ句も結構点がはいった。
四季といふラブホテルあり根岸春
遠き畑に白菜ありやじゃっぱ汁
――丸森に白菜植えてあるのに、とりに行けずスーパーで白菜買ってる私。
鮭切って自分を責めた冬もある
これ娘の解釈。
鮭さん、あなたのいのちを奪って食べてしまってごめんね。
あるいは、年末にきた鮭を切って全部私が食べてしまった。食べ過ぎの私は罪深い。
これはもとだんなの北海道の家から年末に荒巻を送ってくるので何時も出刃包丁で格闘していた。でも夫の志が果たせないのは妻の私が悪いのではないだろうか、と悩んだころのことを句にしてみたのですが。この日朝五時まで、吉田類、坂崎重盛の先輩方と遊んでしまった。ああ、楽しかった。

1月7日(水曜日)
昨日遊びすぎて二日酔い。ある博物館に講演に行った際、ミュージアムショップに谷根千を置いてもらって30部も売れて喜んでいたら、いざ清算の段になって契約書を送ってきて、これに請求書をおこし、谷根千の会社としての登記抄本をつけないと払えないという。1万ちょっとの支払いにそんなことをやらせようという親会社の横暴、それをそのままにいって来る博物館の小役人根性にあきれる。何千万の契約ではないんだしそっちから頼んできた講演なんだから。このところ単発のインタビューだの、町あるきだの頼まれて、あとで請求書をおこしてくれと言われることが多い。なんだか納得できない。そっちが頼んで、そっちが値段決めてるわけでしょ。モノを書く間に請求書を起こしたりしている時間はないし、事務能力もないので、はじめから「あとで請求書をおこしてくれなんて言いませんよね」なんて念を押している.ものすごく社会が管理化して融通が利かなくなってきている。有る出版社では大宅文庫から資料を取るにも、何の仕事のため、といちいち申請書を書かされるようになってやってらんないということだ。

森まゆみ

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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