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くまのかたこと - 旅の宿編

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第一滝本館 登別温泉

泊まったのはもう二十年も前のこと。そのころ北海道の人と結婚していて,毎年1,2回は帰った。
そのとき,岩見沢という鉄道の要衝地だったけれど、おとうさんが登別につれてってやると言って、家族10人ぐらいで繰り出したのであった。
私はあんな豪遊をしたことがなかったので大いに驚いた.ものすごくひろくて,お風呂も入りきれないほど沢山あった。体育館のようにひろい風呂や,ウォータースライダーや25メートルプールも会って,子供たちは大喜び,何でも大きいことがよいことだ,時代の最後の旅館じゃないかしらん。というより,北海道らしい豪快さ,お父さんのスケールの大きさにもびっくりしたのだった。
しみじみ,こじんまりの好きな私はもう泊まらないかもしれないが,もし宝くじが当たったらいままでお世話になった編集者みんな招いてどおんと滝本館で宴会をやりたい.といっても料理もよく,ジャガイモ団子のようなものもいかにも北海道であった。
滝本館は江戸時代にできた宿で、何台目かの主人はアイヌの人たちに共感して、知里幸恵のお父さんなんかを雇ったりしたという。

森まゆみ
2007年12月4日(火曜日)公開

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