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くまのかたこと - 旅の宿編

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ベルリン − ベルリン  79点

すこしぜいたくのしすぎなので普通のホテルにした。じゅうぶんだった。

部屋は広く、機能的で、一面の窓。団体客も多いが、みんなしんせつなドイツ人。東京にいってみたいけど高いらしいじやないの、とか。ジーゲスゾイレを下った南、かつては西ドイツ。

このまえは大道髪のように長きウンテルデンリンデンに面したウェステインでここもイイホテルでした。まえには鴎外関係の現場をあるいたので今回は収容所と壁にしぼって。ラーベンスブリュック女子収容所とザクセンハウゼン。ユダヤ博物館、壁ギャラリー、チェックポイントチャーリーなどなど。

ドイツ人がいかに過去のみずからの罪、過ちに向かい合い、銘記し、自覚し、ふたたびあやまたないために自分に警告を発しているか、身がふるえるようでした。
口先だけで、あやまったの、あやまらないの、そんなに殺してないだのというのではない。みずからの自覚の問題なのです。最近のスーパーフリーや子供による殺傷事件はむしろ歴史をきちんとまなんでないからこそ起きるのではないか、と思いました。戦争における加害者責任の問題は過去のことではなくすぐれて現代のわたしたちの生き方に直結するのだと、あらためて胸にきざみました。
ついでに、ホテルの目の前にバウハウス展示館というのもうれしい。


ついでのついでに。

日本大使館も近い。どこいってもそう思うが日本大使館は、権威主義で、排他的で、つまらないただの四角い建物だ。入口にもうしわけていど、日本語検定や名古屋オリンピックのポスタ−がはってあったが、日本人観光客であるわたしなど、寄り付けもしないようなかんじ。警備員詰め所が2つあって、そこには日本人がいない。オフィスでのんびり新聞を読んでいる日本人らしきものがみえた。

あのなかで特権的なひとを招いて、天皇誕生日のパーテイーかなんかするのが彼らの仕事なんだろう。帰る時にはじゅうたんまいて。絵も外したりするのかな。

まえにエリ−ト外交官からじかに、にほんの女はじぶんより優等国の男と結婚したがり、男は劣等国の女と一緒になる、ときいて唖然とした。何重にもさべつてきだ。
たしかベルリン公使で赴任するというひとだった。そのような観点から、アメリカやフランス大使館では現地人と結婚した女性は大切にされるらしいが、アジアやアフリカでは駐在員のつまは別として、現地のひとと結婚してもあまり大事にしてもらえないらしい。これは実例をきいているので敢えて書く。

森まゆみ
2004年10月11日(月曜日)公開

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