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台湾視察旅行報告2004

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台湾旅行報告 一日目
2004年3月9日(火)  守本善徳
台湾旅行報告 一日目

台北到着

空港まで松金さん、楊さんにおで迎えいただく。 松金さんは専門調査員という肩書きで日台交流センターのお仕事をされているが、本当は宇都宮大学の助教授。品の良い二枚目で物腰柔らかで博覧強記のベスト・アンド・ブライテスト。 台北事務所の楊(Yan ya-wen)さんは美人で笑顔が素敵だ素敵だ。楊さんも優秀なことは少し話すとすぐわかる。大変に気を使っていただいて恐縮する。 お二人は台北にいる間ずっとご一緒してくださった。心強い。 バスに乗って九分へ。

九分

※九分の分は本当は人偏に分。便宜的に分を使います。

絶景。金の鉱山あとにできた町。映画「非情城市」で一躍有名になったとのこと。僕はこの映画は見てないのですが、絵になる町だと思う。山肌にへばりつくように古い家が建っていて、たてものの間を石畳の路地が通る。少し曇っていたせいか、坂の下から見上げても、坂の上から見下ろしてもなんとなくせつない映画の舞台にはぴったりな感じ。非情城市がせつない映画かどうかは知らないのだけれど。

この町の許さん、鄭さん(彫刻家)のご案内で、近くのお宮さんへ。 僕の田舎でいうお宮さん(神社)のような位置づけだと思うけれど、やはり趣は違う。僕たちのいる間にも町の人が自分の家の神様を預けに、あるいはお参りにやってくる。鄭さんはマシンガントークでお宮の彫刻の意味や祭られている神様のことを説明してくれる。それを松金さんが噛み砕いて、前提となる考え方などを交えながら丁寧に通訳してくれる。少しも退屈しない良い講義を聴いた。学校の授業もこういう風ならいいのにね。ここで伺ったお話はこの後の旅行中なんども役に立った。

小さなお店がたくさん並んだ路地のような一本道を、お店ごとに引っかかりながら、一番奥まで行くと九分茶坊に着く。 九分茶坊では許さんのお友達の画家の奥さん(長い)吉村みどりさんにおいしいウーロン茶をいただきながら、日本語でお店の成り立ちやたてもの(古い家を2つつなげてある)についてお話を伺う。吉村さんは日本人です。旅行で九分を訪れて画家の夫君と恋に落ちたとか。 お店のかわいい若い女性が話の間ずーっとお茶を継ぎ足してくれる。小さな茶碗にすばらしくおいしいウーロン茶なのですぐになくなるのだ。ヤマサキさんが早速ここでお茶を買う。

九分茶坊は入り口から見ただけでも趣があってとても落ち着くたたずまい。一階奥のバルコニーから見渡す九分の町と海はもう圧倒的。バルコニーに面した席には、日本なら渋谷のセンター街にいそうな、若いカップルがお茶を飲んでいる。地下(といっても山肌に建っているのでバルコニーがある)にはギャラリーもあって、許さんやそのお友達の絵、陶器などの作品がセンス良く並んでいる。

許さんの経営する台湾料理店「阿妹茶楼」へ移動。少し日が落ちた九分の町を見下ろす、すばらしい眺め。窓から首を出して振り返ると、九分茶坊のバルコニーがすぐそこに見える。結構歩いたと思うけれど、入り組んだ路地をグルッと回ってたどり着いていたのだ。 許さん、鄭さん、許さんのお友達、許さんのお父さんを交えて会食。次々運ばれる山盛りの料理にちょっとビビリながら箸をつける。たくさんいる若い女性の店員さんは皆明るくてキビキビしていて気持ち良い。大皿に盛り上がった(!)名物のカラスミをぱくつく(ビールは出ないのかなぁ、と少し思うけれどここはおとなしくしておく)。

許さんのお父さんは日本語を話す。上手というよりも、普通に話していて、通訳をしてくれている松金さんや楊さんは離れたテーブルにいるけれどちゃんとお話ができる。カラスミ食べろと何度もお勧めいただくけれど、カラスミは二、三切れぐらいがちょうどいいかな。

たっぷり食べると今度はお茶。許さんはお茶を淹れる名人だそうで(聞き逃したけれど何か資格をお持ちらしい)、ずっと立ったままで小さな茶碗にお茶を給仕してくれる。酒を飲んで騒ぐのではなくて、おいしいお茶をたくさん飲みながらゆっくり話すことが楽しい。

九分の町は平日の昼間にしては、たくさんの観光客がいる。週末には、狭い路地は人にぶつからずに歩くことはムリだそうだ。許さんは、もう少し落ち着いた町にしたいとのこと。

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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守本善徳守本善徳 システムコンサルタント
愛知県名古屋市に生まれ、石川県七尾市で大きくなって、東京都文京区でもっと大きくなる。2000年より谷根千ねっとの運営管理者(残念ながら食い扶持ではない)。
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