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情報トピックス

町の話題、イベント情報などをお知らせします。※掲載情報に関するお問合せは各トピックに掲載の問合せ先にお願いします。谷根千工房及び谷根千ねっとでは対応できません。あしからずご了承ください。
現在の情報トピックス一覧へ 2007年07月の一覧
秋山祐徳太子・美濃瓢吾展 『ブリキ男と招き男』 ギャラリーKingyo
2007年7月3日(火曜日) 〜 2007年7月22日(日曜日)
ギャラリーKingyo
秋山祐徳太子・美濃瓢吾展 『ブリキ男と招き男』 ギャラリーKingyo 秋山祐徳太子・美濃瓢吾
7/3(火) - 7/22(日)
休日:7/9(月)・7/16(月)
営業時間:12:00〜19:00(最終日17:00まで)
ギャラリーKingyo
文京区千駄木2-49-10
TEL: 050-7573-7890 FAX:03-5815-7814 (担当 扇谷)        
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秋山裕徳太子

1935年東京に生まれる。60年武蔵野美術学校(現・武蔵野美術大学)彫刻科卒。
卒業後、工業デザイナーとして大手電機メーカーに勤務。65年岐阜アンデパンダ
ン・フェスティバルに自分自身を出品。以後、ポップ・ハプニングと称し、金太
郎、グリコなど動くポップ・アートを行う。政治のポップ・アート化を目指し、
東京都知事選に立候補。73年東京・ガレリア・グラフィカで初個展、その後、全
国各地で開催。86年パリ・ポンピドー・センター「前衛の日本展」に出品、94年
池田20世紀美術館で回顧展を開催。
著書に『通俗的芸術論』『泡沫桀人列伝』『ブリキ男』


美濃瓢吾

1953年大分県に生まれる。立教大学経済学部経営学科卒業。
出版社退職後、画家平賀敬に師事。三十代を浅草木馬館で過ごす。ピーナッツや
丸煎餅を売る傍ら、福助・招き猫・大入看板画といった、いわゆる「祝額」を描
く。最近では「浅草人間絶景論」と銘打ち、近未来の活人画(人間マジック)ま
たは見世物もどき浅草版「洛中洛外図」世界へと筆を進める。
さらに仲間たちと「行商美術」を名乗り全国津々浦々を美術徘徊。
著書に『浅草木馬館日記』

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以下はお二人が互いに寄せた文章です。

『逃亡する赤飯』
 母が云う「いやだねえ、あの子は、ふとんの代わりにブリキ板をかけている
よ」。我が家に泊まって行った美濃君、見ればブリキ板のあちらこちらに富士山
を型抜いた穴がいくつもあった。その穴から美濃君の寝息が響いて来る。時々打
楽器のようなオナラの音、母と私は笑いをこらえきれず、美濃君を起こしてし
まった。初夏の薫りが笑いながら通り抜ける季節だった。母が元気だった頃の思
い出である。
 時も去り母も去り、新築になった我が団地には、友人達が連日泊まりにやって
くる。そんな折美濃君は赤飯を持ってやってきた。運を招く男という定評があ
る。朝みんなで食べようと探したが一向に見つからない。三日たった朝、枕の下
からペチャンコになった赤飯が、ブリキ板のようになって見つかった。
 赤飯も我々には食べてもらいたくなかったのだろう。しかし、運を呼ぶ赤飯と
して今も効力を発揮している。美濃力である。
(秋山祐徳太子)

『泡沫旅行』
 三年前の師走、兵庫県浜坂でのことだ。約束の時間にはまだ早い。二人して駅
前のうどん店で玉子とじを注文し体を温めた。そういうことなら秋山さんが得意
とする女主人とのテンポのいい母性的会話を楽しんだあとは町の温泉へという手
もある。しかし「湯冷めする」と秋山さんは体を気づかい、店を出ると結局、散
策となった。
 黒塀の続く漁師町の或る狭い四ツ辻まで来ると小さなセメントでかたどられた
赤い鳥居と祠に出会した。散策のクライマックスは早々に訪れた。接近し、じ
いっと見入っていた秋山さんは「うーん、これはいい、これはいい」を連発。そ
して「一坪美術館、一坪美術館」とオマジナイのように復唱する。「何か見えま
すか」、私もつい尋ねてしまう。すると何処から飛来したのだろう。四ツ辻の歓
呼の肉声は泡沫たちをも呼び寄せた。例のあれだあの光。母なる泡沫、泡沫童子
のマジックショー。確かに光った。
 だからこの日の出し物はオマケがついた。四ツ辻からすぐのところに画廊まで
見つかった。ブリキの看板には「ゆうちゃんギャラリー」とある。これも泡沫の
仕業だろうか、いやそうに決まっている。万能なのだ。
(美濃瓢吾)


二人の作家は作品を鑑賞するだけでなく、様々な行為を通じて、私達のアート魂
を刺激します。個人的にも親交の深いお二人が、どのような展示をして下さる
か、またギャラリーの中にどのような気が流れるのか。期待にみちて時を待って
おります。是非ご取材ご掲載、宜しくお願い致します。
扇谷
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