開催期間 平成18年10月3日(火)〜11月26日(日)
開館時間 10:00〜17:00(入場は16:30まで)
休 館 日 月曜日 ただし10/9は開館 10/10、11、11/7、24は休館
会 場 田端文士村記念館エントランスホール
(JR田端駅北口徒歩1分)
観 覧 料 無料
大正末から歴史小説を土台として誕生した日本の大衆文芸は、戦後大きな変貌を遂げました。テレビ・映画・マスコミとの連動によりビジュアル化が進み、時代小説を含めて、広くエンターテイメント小説と呼ばれるまでになりました。
個性を競う作品と同様に、作家の生き方も多様化しました。池上信一は、戦前の『講談倶楽部』などの大衆文芸誌から出発し、「芸術大衆小説」を提唱した作品を発表。他にも同人誌の編集など幅広い領域で活躍しました。
晩年の一時期を田端で過ごし、同じく田端に住んだ山手樹一郎、村上元三や、早乙女貢、童門冬二らの若手作家まで、交友も多彩でした。
本展では、独自の生き方を貫き、文業のみならず〈楽しみ・娯楽・ユーモア〉に満ちた豊かな人生を追求した池上を、当館へ寄贈された池上関連資料の中から、作家・教員・趣味・交友などについてご紹介します。
【池上信一(いけがみしんいち)】
昭和10年、早稲田大学文学部国文科卒業。同年、都内私立高校の国語教師となる。昭和11年「山蟹」が『サンデー毎日』の懸賞小説に入選し、以後大衆文学作家を志す。昭和26年「柳寿司物語」で第一回講談倶楽部賞を受賞。58歳で勤務中に急逝するまで、生涯作家と教員生活を両立させた。大衆文芸誌を中心に執筆。同人誌の編集も行い、『小説会議』『季節』『草原』などがある。駅弁ラベル蒐集、落語研究、乗馬など趣味人でもあり、世話好きの温厚な人柄から多くの人々に慕われた。昭和19年、昭和43〜5年、田端338番地(現・1-19)に居住。
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