■見学会のお知らせ
お誘いあわせて是非いらしてください!署名にご協力下さい!
茨城県会館 職員東京宿泊所 見学会
--明治後期建築敷地約500坪 根津に残る屋敷のたたずまいを守りましょう
8月31日 (日)
10:30 〜 16:30
会費300円 資料代などとして
住所:根津2丁目14(地下鉄千代田線根津駅徒歩5分)
根津2丁目にある「茨城県会館」がこの3月をもって閉じられました。
明治期に建てられた屋敷の佇まいと庭は、貴重な地域の財産です。
6月の文京区議会にて「保存活用に関する請願」が全会一致で
採択されました。ぜひ、地域の環境づくりを一緒に考えましょう。
●署名に御協力下さい●
公益文化福祉施設として有効な保存活用をするためには
文京区の施設とすることが望まれます。是非ご署名下さい。
見学会当日署名の他、御協力いただける方には
書式を手渡し、もしくはE-mailで添付いたします。
たいとう歴史都市研究会・中村 fum@msc.biglobe.ne.jp
までご連絡ください。
・水道/電気は止まっております
・トイレは使用できません
・スリッパ(はきかえ靴下)をご持参ください
・懐中電灯があると便利です
主催:根津・茨城県会館を活かす会
共催:文京たてもの応援団、 たいとう歴史都市研究会
http://www.toshima.ne.jp/~tatemono/page032.html
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■茨城県会館職員東京宿泊所についての概要
(文京区教育長宛の文化財保護審議委員会の審議に付する要望書より抜粋)
1.茨城県会館が語る地域と建物の歴史的文化的価値
茨城県会館職員東京宿泊所の建物は、丹那トンネル工事を請け負うなど
手広く土建業を営んでいた田嶋浅次郎氏の邸宅として、明治43年にレンガ蔵、
翌44年に本館、ついで大正5年に東棟(玄関棟)が建てられました。昭和18年頃、
画商の高橋武三氏に譲渡されて、料亭「翠月」となりました。当時の高橋氏は
町内会長を勤める等、地縁を築いた重要人物であると語り継がれています。
戦中戦後の屋敷の佇まいの面影は、「東京セブンローズ 井上ひさし著」等、
根津地域を題材とした小説にも描かれており、地域住民が当時から屋敷の
緑と空間の広がりを楽しんでいた様子が伺われます。昭和37年には、新潟県に
譲渡され、その後昭和47年に茨城県が購入し、現在に至っています。
邸宅、料亭、宿泊所時代を通して、100年以上地域の人々が様々な職種の
出入りとして、代々慣れ親しまれた茨城県会館は、地域にとってかけがえのない
思い出のより処となっています。
2.茨城県会館の建築的価値
建物の本館1階の座敷は格天井の格式を備えていますが、全体として華美な
装飾をさけた質実なつくりとなっています。しかしながら細部には職人の冴えた
技を随所に見ることができます。最も古いレンガ蔵は御影石の扱いに洗練された
高度な技が発揮された見事な建築です。また、本館の南側には築山と池が配
され、家屋、庭園をあわせ伝統的な日本の自然との対し方を伝えると共に、当
時の中規模屋敷の状態を残す資料といえます。庭園は、明治から昭和に至る
変遷をたどることが出来、かつて藍染川の流れや自然の湧水を利用し上野と本
郷の山の緑を背に地域古来の自然と融和した日本庭園です。また、前記三棟
共 棟札が残され、上棟日、建築主、大工棟梁名、等を知る事が出来る貴重
な資料を有している事も特筆されます。
2. 江戸東京の歴史的景観・文化の核としての価値
茨城県会館東京宿泊所は東京都文京区根津二丁目14に位置します。
このすぐ東側の通りは区境となっていますが、かつては藍染川の流れが不忍池へ
と注いでいました。台東区側は池之端、谷中、上野桜木の寺町、文京区側は
根津権現の門前町として栄え、この間に連なっていた屋敷町の一画とともに、江
戸以来の風情を残す歴史的環境を色濃くとどめています。特に茨城県会館東
京宿泊所は、湯島の岩崎邸、上野公園の各文化施設、横山大観記念館、
江戸千家一円庵(都指定文化財)、鴎外荘(森鴎外旧居)に連なる位置に
あり、西は弥生の美術館、東大根津神社、東は東京芸術大学、朝倉彫塑館
や個性的なギャラリーが散在する芸術の町、谷中に続く文化・芸術ルートの要
でもあります。これら文京区千駄木、根津、および台東区谷中、池之端、上野
桜木を結ぶ歴史的エリアの景観の核として非常に重要な位置を占める
茨城県会館は、まさに江戸東京の生きた文化遺産としてなくてはならない
宝といえましょう。