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2004年2月22日(日曜日)
「茨城県会館旧職員東京宿泊所」の保存活用に関する請願 / 1月の文京区HP更新にて7月7日の文京区議会報告がありました
7月7日の文京区議会報告より

・受理年月日及び番号 平成15年6月19日 第26号
・件名 文京区根津所在「茨城県会館旧職員東京宿泊所」の保存活用に関する請願
・請願者 文京区千駄木三丁目1番1号 団子坂マンション谷根千工房内
  文京歴史的建物の活用を考える会 代表 松塚昇 外1名
・紹介議員 藤野美子・前田くにひろ・戸井田ひろし・関川今朝子・木村民子
・請願の要旨 次頁のとおり
・付託委員会 総務区民委員会

・請願理由
 文京区根津2丁目に所在する「茨城県会館旧職員東京宿泊所」は、約 500坪の敷地に、明治43年築のレンガ蔵、明治44年築の本館、大正5年築の東棟(玄関棟)および近年の増築部分からなる建築群が、池のある緑豊かな庭園を取り囲むように配置されています。
建てたのは丹那トンネル工事を請け負うなど手広く土建業に営んでいた田嶋浅次郎氏です。敷地は、不忍池へと注ぐ今はなき藍染川のほとりに位置し、上野谷中の寺町、根津権現の門前に栄えた町人地の間に残る屋敷町にありました。江戸東京において、今もなお下町文化と共に、屋敷文化を伝える例は非常に稀であり、2棟のと蔵が優美に連なり、細部に大工職人の技を残す茨城県会館は、明治期の屋敷構えを今に伝えるかけがえのない文化財です。地域住民に世代を超えて慣れ親しまれたこの建物を失うことは、地域の歴史にとって大きな損失であり、根津千駄木界隈の、江戸東京の佇まいを色濃く残す歴史的景観の核、都市文化散策の要ともなる安らぎのある空間が消えてしまうことになりましょう。

建物と敷地は数度の変遷ののち昭和47年から茨城県が所有しておりますが、宿泊所としての役目は終えたため、本年3月に競売の方針が打ち出されました。しかしながら、茨城県では建物の歴史的価値に配慮して、建物を保存活用することを条件に購入者を探すという市民の活動に応じて競売延期の措置をとってくれています。

 本年3月に当会が提出した文京区長への要望書には、慎重な検討を要する、という旨の回答をいただきました。

 文京区は基本構想の中で、『文の京』の伝統の保全と文化活動の活性化を目標に掲げ、職人技術や庭園、歴史的建造物等の維持・保全を図り、区民による積極的な利用・活用を促進する、としています。文京区教育委員会文京ふるさと歴史館が発行した、「文京区歴史的建造物(近代)悉皆調査報告書」にもとりあげられた茨城県会館を保存することは、芸術、文化、観光、福祉、教育など広い分野での有意義な活用が期待でき、防災性、防犯性にも配慮した地域振興に大きな役割を果たすことができましょう。現在、区民有志や地域団体が協力して、茨城県会館を地域のコミュニティ拠点、文化拠点として公益的に事業運営する方法を検討しています。その実現のためには、文京区が、茨城県と区民の間に立ち、区民活用のサポートをするという、文京区と区民(NPOや一般市民を含む)による協働がもっとも相応しいと考えます。よって、茨城県会館の保存活用にむけた請願をいたします。

 ・請願事項
 1 茨城県会館旧職員東京宿泊所の今後の土地建物利用について、区民等による保存を含めた有効活用に関し、茨城県との交渉を支援すること。


○飯田委員長 この請願は、区に対して、茨城県会館旧職員東京宿泊所の今後の土地
建物利用について、区民等による保存を含め有効活用に関し、茨城県との交渉を支援
することを求めるものです。
御質疑。
小林委員。

○小林委員 1点だけちょっとお聞きしておきたいんですが、この請願理由の真ん中あたりのところに、「本年3月に当会が提出した文京区長への要望書には、慎重な検討を要する、という旨の回答をいただきました」ということになっているんですが、今、この建物をめぐっては地元では大きく2つの動きがあるというふうに私も承知をしているんですけれども、この区長の要望書への回答ということで慎重な検討を要するという、この意味合いについてはどんなことなのか、ちょっと伺っておきます。
○飯田委員長 企画課長。

○瀧企画課長 これにつきましては、私どもが答えたわけでございますけれども、区としましては「同所施設を保存し、有効に利用できる適正な公的事業がないという結論に達しております」ということでお答えした後に、この会からのいわゆる公的利用以外のさまざまな提案について、「様々な行政ニーズがある中で、区として優先的に取りくむべきかどうかについては、慎重な検討を要する」という答えをしています。
ちょっとここで私ども請願を見たとき、「慎重な検討」という、ちょっと行き違いがあるかなというふうに考えております。
 区としましては、その会からの提案、対案に対して、優先的に取り組むべきかどうかについては慎重な検討を要するという趣旨で私ども答えたつもりでございます。

○飯田委員長 態度表明をお願いします。
日本共産党さん。

○小林委員 私もこの茨城県の旧職員東京宿泊所については、現地の見学会があったときに見てまいりました。建物自体は明治から大正にかけてということで、建築としても専門家の立場からすると非常に貴重な建物だというふうなこともありました。
同時に、こういう建物空間というか、なくせば終わってしまうということに当然なってくるということで、実際にこの中でも言われておりますけれども、文京区と区民を含む活用ということが可能になる。それはいろいろな形で今この請願を出されている団体の皆さんも含めて検討されているという状況だというふうに思うんですね。
 そういう点では、そういう方向をやはり探っていくということで、区としてどういうことができるのかについては、いろいろあるかと思うんですけれども、ここで言われている区民等による保存を含めた有効活用に関し、茨城県との交渉を支援するという点でいくと、やはりそういうことは少なくともきちっとやっていくことが必要かなというふうに思います。
 そういうことも含めて、この請願については採択です。
○飯田委員長 市民さん。

○鹿倉委員 ちょっと1点だけ確認しておきたいんですが、この請願に書かれている経過については、これ読んだ中でわかるんですが、現在のところ茨城県の方の状況というのはどんな現状になっているのか、その点だけちょっと聞かせていただきたいのと、それからこの請願を出された団体の方々だけではなくて、いろいろな形であの施設を活用したいというような動きがどこかあるのか、具体的にね。そういうのを請願を出された団体から聞いていらっしゃるか、もしくはほかの団体等を通じて聞いているのか、そういう情報があったらちょっと教えてください。
○飯田委員長 瀧企画課長。

○瀧企画課長 茨城県につきましては、この3月に施設を廃止いたしまして、その後、私ども当初聞いておりましたのは、地元の自治体等が買わなければ一般競争入札と聞いておりました。現在につきましては、それについては延長していると聞いておりますので、そういう状況であります。
 また、地元の町会等から区長に対して要望が来ておりまして、これについてはいわゆる防災、まちづくりの関係で公園等にどうかという提案を聞いております。それ以外聞いておりません。
○飯田委員長 態度表明をお願いします。

○鹿倉委員 この請願については、今後の土地建物利用について区民などによる保存を含めた有効活用に関し、茨城県との交渉を支援することということでありますから、ぜひとも市民活動を活性化させる、もしくはここにある建物を含めて有効活用を図ると。ある面では、我々が今後進むべき方向としてはこういうことをやりながらできるだけ貴重な公共空間を確保していくという結果につながることが望ましいというふうに思いますので、ぜひともこういった市民活動を支援するとともに、区長に関してはぜひ求められるような橋渡し役、求められるような情報提供、求められるような技術的もしくは財政的な支援もできたらきちっと対応していただきたいなというふうに思います。
 我々議会としてもぜひとも応援をしていきたいと思いますので採択です。
○飯田委員長 公明党さん。

○堀内委員 種々検討させていただきました。茨城県との交渉を粘り強くやっていただきたいという趣旨でもございますし、ただ単なる有効活用ではなくて、やはり保存ということも視野に入れた請願でございますので、これについては採択をいたします。
○飯田委員長 自民党さん。

○宮崎副委員長 自民党も検討いたしまして、区民等による保存を含めた有効活用に関し、茨城県と交渉を支援することに賛成いたします。採択です。
○飯田委員長 新生クラブさん。

○成澤委員 賛成をいたしますが、今、意見表明の中にあった財政支援については私ども考えておりません。請願については賛成いたします。

○飯田委員長 以上、審査結果は全員採択でございます。本請願につきましては、執行機関に送付し、請願事項の実現を働きかけることとしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
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