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2002年6月1日(土曜日)
不忍池ほとり 超高層マンション建設計画 - 日陰のキリン サイ難
不忍池ほとり 超高層マンション建設計画 - 日陰のキリン サイ難 2002年5月31日毎日新聞 地域のニュースより

上野の上野動物園に近い不忍池のほとりの台東区池之端2に、地上138メートルの超高層マンション(309戸)の建設計画が進んでいる。サイやキリンなどの入る動物舎や、園内で最も日当たりの良い場所にある植物用の温室が年間を通じて午後の一定時間、日陰になるほか、低い屋根の多い町並みに突出する高層建築物が出現することになる。住民らは「地域の景観にそぐわない」などと反発している。

このマンションは、動物園「池之端門」の正面にある百貨店流通センターの跡地(約3180平方メートル)に、サンウッド、東急不動産、東京建物が建てる「(仮称)池之端2丁目計画」。今年10月をめどに着工し、05年3月完成を目指す。

動物園や上野の森、不忍池などを一望できるのが売り物。しかし、低い住宅が大半の地域で突出した形となるうえ、不忍池のほとりにある西園では、年間を通してサイやキリン、オカピなどの動物舎が午後約2時間日陰に入る。コビトカバ、カバの動物舎、園内の弱った木を養生する温室、東観の象舎なども冬季の午後、1時間前後日が当たらなくなる。

 動物園飼育課の田畑直樹普及指導係長は「動物は日の短い冬は、できるだけ日に当たった方がいいのに。何より、近くにそんなに高い建物が建つと圧迫感を受ける」と驚く。

 建築主の3社は3月、大規模建設を対象とした許可制度「総合設計制度」の許可申清をし、3月中に2回住民税開会を開いた。

 都は今月15日の公聴会で住民から「業者は説明不足だ」と批判が相次いだため、業者に住民説明会の追加開催を指導。29日、3回目の説明会が開かれた。住民たちは「動物園のことを考えたのか」 「地域の景観にそぐわない」と批判。業者側は「周囲に配慮して、営利を最大限までは追求していない」とし議論は平行線だった。

 地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を発行する「谷根千工房」など建設に反対する人々は、低層化などを求める意見書を都に提出。同誌発行人の森まゆみさんらは「今回の計画地近くに高層ホテルが建ったときも、阻止できずに悔やむ声が多かった。眺望を売り物にする建物自体が景観を損ねる」と話している。
【宮川裕幸】
国の環頓整備制度 住民、猜棲沖瓩鉾身

 台東区池之端に超高層マンションの建設を計画している業者側は、国が市街地の環境整備のために設置した「総合設計制度」の許可を都に申請した。業者側はメリットを強調し、住民側は"弊害"に反発している。

 同制度は国が76年に制定。建設予定地の敷地内に歩行空間や広場など周辺環境への配慮を求める代わりに、容積率を緩和し、建築主に犢發気離棔璽淵后蹐鰺燭┐訐度だ。

 29日の住民税開会で業者側は「スリムな建物を計画しており、同じ場所が影になる時間を短縮できる」と説明した。

一方の住民側は、「低い町並みに高層建築はそぐわない」として、高層建築をうながす結果につながる同制度の「弊害」を指摘している。

 東京農業大の進士五十八学長(景観政策)は「過去の調査で、周辺の高さより突出して高い建物が建つ場合、建築紛争が起こりやすいというデータがある。よりよい環境をつくるはずの制度が、全体的な環境を悪化させる結果につながってはならない。建築主は、高層建築の視覚的圧迫感にも考慮すべきで、都には制度の的確な運用が求められる」と話している。

 都は住民の意見を踏まえ、必要に応じて業者に計画の修正を指導、学識経験者などでつくる建築審査会に報告する。審査会の同意を得ると計画は許可される。
【宮川裕幸】

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