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くまのかたこと - 旅の宿編

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中山平温泉うなぎ湯の宿琢ひで

秀の字はでてこない。このところ売り出し中の宿。ぬるりとロトロのうなぎ湯を名乗る。元祖のゆさやのお株を奪ったのは女将の奮闘と女性好みの宿作りから。
ここだけたいへん混んでいた。玄関は雑然として、フロントには誰もいない。やっとでて来たら一人旅だからか、庭の離れに案内された。
これがプレハブの倉庫を改造したような部屋で、安いバーのようなインテリアだ。であるが、宿の人は親切で、露天風呂にも近いから、まあがまんすることに。
バリ風のアロママサージが運良く予約でき、やってくれた人はたいへん技術も人柄も良かった。値段も60分6000円は良心的。
ただ食事は大広間の椅子席で、やや落ち着かない。夜も朝も固形燃料、2つずつ、この山の中でえびやマグロを出す必要があるのか。
でも牛肉の質は吟味されていた。おかみさんはさすがに人をそらさない、ふくよかな方。すごく評判が高いだけに点が辛くなったが、1万5000えんくらいで
この内容は満足すべきだ。ただ、人気の宿になればなるほど、マナーの悪い客も増えるのは確かだ。

森まゆみ
2008年6月9日(月曜日)公開

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