森まゆみ著
本体価格 \2200
旬報社 1996.8.5発行 ISBN 4-8451-0440-7
1980年に、私は『日本の女』(晧星社)という本を橘樹まゆみのペンネームで出した。初めての本である。二十五歳だった。
このたび全面的に書きかえ、新版を出すことになったのは、バージニア・ウルフ『女性にとっての職業』(みすず書房)に啓発されたことによる。
これに励まされて、それから読んだ本を読み直し、何人かについては新たに加え、ほとんど書きおろしに近くなった。
一世代二世代下の女性たちにも、私はこれらの女性たちの人生を手渡してゆきたい。
<あとがきより>
目次
1. 明治女学校のころ
清水紫琴 / 相馬黒光 / 羽仁もと子 / 大塚楠緒子 / 詩人の恋人(佐藤輔子 斎藤冬子)
2. 青鞜の「新しい女」
平塚らいてう / 尾竹紅吉 / 伊藤野枝 / 神近市子 / 岩野清子 / 高村智恵子 / 田村俊子
3. 大正的事件
夢二の三人の女たち / 芳川鎌子 / 原阿佐緒 / 柳原白蓮 / 九倏武子 / 波多野秋子
4. 私は納得しない
福田英子 / 菅野すが / 山川菊栄 / 山内みな / 丹野セツ / 梅津はぎ子
5. もの書く女
田沢稲舟 / 与謝野晶子 / 岡本かの子 / 宮本百合子 / 林芙美子 / 矢田津世子 / 杉田久女
6. 人のために生きる
山室機恵子 / 渋谷黎子 / 丸岡秀子 / 矢嶋楫子
7. 天職をみつけて
上村松園 / 河崎なつ / 荻野吟子 / 人見絹枝 / 高群逸枝
8. それでも私は演ずる
松井須磨子 / 三浦環 / 水谷八重子 / 東山千栄子
9. 横紙やぶりの人生
松本英子 / 出口なお / 安藤照子 / 阿部定 / 金子文子
あとがき
読者ガイド
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