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古書ほうろうからのお知らせ

旧安田邸の蓄音機で聴く、広瀬正の世界とその時代 『マイナス・ゼロ』のサウンドトラック 出演:毛利眞人 5月6日(日)16時
2012年04月06日(金)公開
『沙漠に日が落ちて 二村定一伝』(講談社)の刊行を記念して、著者の毛利眞人さんを再び旧安田邸にお迎えします。今回スポットを当てるのは広瀬正。『マイナス・ゼロ』や『エロス』の舞台となる1930年代のモダンな音楽をご堪能ください。


  出演 毛利眞人(音楽ライター)
  場所 旧安田楠雄邸 文京区千駄木5-20-18 
  日時 5月6日(日)15:30開場/16時開演
  料金 1500円

  主催 不忍ブックストリート

  当日券あり!

  *ご予約は、お電話かメールで、古書ほうろうまで
    03-3824-3388
    E-mail:horo●yanesen.net
        ●を@に変え、お名前、人数、電話番号をお書き添えください



 毛利さんが前回旧安田邸に来てくださったのは、一昨年の11月。まったくもって興奮の一夜でしたが、あのときの

「ちゃんとした蓄音機でかけると、SP盤はこんなにすごい音で鳴るのか!」
「昭和の初め頃の日本のジャズソングは、こんなにも格好よかったのか!」


という衝撃をもっとたくさんの人に感じてほしくて、再びこのような会を開催します。

 おもに1930年代の日本のジャズソングをかける、という点ではあのときと同じですが、今回はもうひとつ別の切り口を用意しました。それが広瀬正です。

 前回、毛利さんのかけるさまざまな曲を、ぼくは「広瀬正の小説のサウンドトラックみたいだな」と思いながら聴いていたのですが、その後のナンダロウさんとのトークで、毛利さんはまさにこんなことを仰りました。

「『マイナス・ゼロ』にはとても影響を受けてます」
「ああいうものを書きたかったんです」


 それが本当にうれしくて! 以来、ずっと温めていた企画です。

 広瀬正の『マイナス・ゼロ』や『エロス』は、昭和初期の東京の街を魅力的に描いた素敵な小説で、ファンもとても多いです。しかし、その世界を彩る当時の音楽を、具体的にイメージできる人はたぶん少ないでしょう。ぼくもそうだったのですが、なんとなくわかっている気でいたものとはずいぶん違うのですよ。

 たとえば『エロス』にはこんな描写があります。

「このカタカナの新人歌手は立教の学生で、慎一は彼がダンスホールでドラムをたたいているのを見たことがある」

 このディック・ミネが実際どんなふうに歌い、バックのバンドはどんな音を出していたのか。それを知ることで(最高にイカしてるんですよ!)、もっと広瀬正の小説を楽しめるはずだし、それをきっかけにあの時代の音楽自体にも興味を持ってもらえるのではないか。あるいは逆に、ここ最近のCD復刻でディック・ミネや二村定一のファンになった人が、広瀬正を読んでくれたら。そんな一日になれば、と思っています。


 あと、そうそう、『エロス』の舞台となる駒込曙町は現在の本駒込で、たびたび登場する「曙町」電停は「東洋大学前」バス停の辺りです。旧安田邸からは歩いて15分ほどですし、お時間のある方は開演前に散歩してみるのも一興かもしれません。

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 なお、広瀬正については、もう11年も前ですが「今月の一冊」にも書きました→

 また『広瀬正 小説全集』の版元である集英社のサイトには大森望さんの紹介文も。
併せてご一読ください。

(宮地)

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