上野「文化の杜」新構想~上野公園の開発計画再燃!【文化庁へのパブリックコメントは1/18締切】

2015年01月18日(日)

しのばず自然観察会
WEB http://www18.ocn.ne.jp/~sinobazu/

自然と歴史環境、憩いのアメニティ空間の危機

 上野公園の開発計画が再燃しました。これまでも、雨に濡れないで行けるようにと上野駅公園口から上野動物園まで地下道を掘るなどの開発案が無責任に宣伝されました。これには、地下道から動物園内に出たあとどうするのかねえと笑い話のたねになりました。

 文化庁のHPによると、今回は上野の杜から世界への文化発信という名目で、1年ほど前に検討会が発足したそうです。自由に発言するためとして、発言者名が議事録から伏せられ、メンバーは事後に公開された作業グループが中間報告を作成、第2回検討会に以前の開発案を拡張したものが提出されました。

 そこでは、上野動物園のモノレールを上野公園内外に拡張するとか、地下道は通路どころか地下街にする、現在禁止されている公園内の車乗り入れに対し、文化施設間をつなぐ交通輸送手段を整備するというようなことも盛り込まれています。

 モノレール延長は、25年ほど前に不忍池地下駐車場建設計画が発覚した折に出され、地域の有力議員さんが「後援会の人たちが勇み足で考えたことで、申し訳ない」と言って撤回させた経緯があり、数年前にも東京都が延長は不可と結論したと報道されたものです。

 計画では、駅前にとどまらず、不忍池も含めて上野公園全体を開発する意向が示されています。上野公園では明治維新以来、歴史性がないがしろにされ、残された自然空間もどんどん減少しています。心が落ち着く、安心感があるとして多くの人から支持されているのが神社仏閣の境内であり、静けさ、自然性、歴史性を備え、安心できる空間が上野公園のアメニティであり、これは喧噪の東京砂漠とは対極にあるという研究成果が出されています。

 責任の所在も明確でないまま進められようとしている上野公園の開発計画について、文化庁と東京芸大はパブリックコメントを1月18日(日)期限で受け付けています。

意見書(パブリックコメント)の送付先は
メール ueno_iken@ml.geidai.ac.jp

意見募集の詳細はhttp://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/kondankaitou/bunkanomori/iken_bosyu.html

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