森まゆみの本

子規の音

子規の音

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単行本: 400ページ
出版社: 新潮社
ISBN-10: 4104100048
ISBN-13: 978-4104100040
発売日: 2017年4月27日(木)
著者: 森まゆみ
価格: 本体 2,100円 + 税
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明治の文学者を、樋口一葉、森鴎外、三遊亭円朝、夏目漱石とかきついできて、やっぱり書きたかったのはこの人、子規。彼は慶応3年に松山に生まれ、16歳で東京に出てきます。神田、本郷真砂町、向島、不忍池のほとり、追分町などに暮らし、ついに明治25年に上根岸88番地、さらに82番地に住んで、35歳で亡くなりました。10年間、カリエスの身を横たえた根岸、今まで男性が多く書くことの多い子規ですが、根岸の暮らし、地理がわからないと、理解できない句や歌も多いのです。笹の雪、羽二重団子、近くを通る鉄道、隣の女の子、花の騒ぎが聞こえる上野の山、後継者に鋸歯を頼んで断られた道灌山など、子規をめぐる景色、そして病床にあって景色を見られなくなった子規が音に、匂いに、味に思い出す景色。それを書きました。本当に根アカで愛されキャラの子規でした。

 

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